豊島逸夫の手帖

  1. TOP
  2. 豊島逸夫の手帖

金の第一人者として知られる国際金融アナリスト豊島逸夫氏のブログを掲載します。
なお、本ブログの内容は豊島逸夫氏ご本人の個人的見解であることをご了解の上、閲覧ください。

豊島逸夫氏のプロフィール

豊島逸夫氏近影
豊島逸夫事務所代表。
1948年、東京都生まれ。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現三菱UFJ銀行)を経て、スイス銀行で外国為替貴金属ディーラーとして活躍。2011年9月までワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の日本代表を務める。独立後はチューリッヒやニューヨークでの豊富な相場体験と人脈をもとに、自由な立場から金市場や国際金融、マクロ経済動向について情報発信を行うとともに、“金の国内第一人者”として金投資の普及に尽力。投資の初心者にも分かりやすいトークや文章にファンも多い。得意分野はスキー系、鮨スイーツ系、温泉系。

最新記事

FT報道で「スイス製金地金に39%課税」

2025年8月8日まだ真偽のほどは不明だが、FT(フィナンシャルタイムズ)が米国とスイスの関税交渉不調の結果、スイス製キロバーに39%の関税が課されると報道。アジア時間のことで金市場は混乱。NY金価格(12月もの)がロコロンドン(スポット)より100ドル以上も高くなるという異常な状態が生じている。日経は国際金価格3500ドル超えと報じた。8月の時点で最も取引の多い12月限のNY金先物価格がスポット...
  • 続きを読む

いよいよトランプ関税、見切り発車

2025年8月7日 昨日述べたように「相互関税」が日米の解釈が食い違うまま発動した。更に、米国は輸入されるすべての半導体に100%の関税をかける。但し、米国内で製造されていれば関税はかからないし、米国内での製造を計画さえしていれば関税はかからないという。 なお、インドはロシア産原油を輸入しているとの理由で更に25%の追加関税(懲罰関税)。これで危惧されるのはインドが中国側に回る可能性。何を考えてい...
  • 続きを読む

日米合意、見解の相違が発覚

2025年8月6日 今日は金についてではなく、日米関税協議の合意内容に重大な齟齬が露見した問題について、筆者の思うところを書く。 昨晩、米CNBCに生電話出演したトランプ大統領。日本にとって問題の部分は、関税が米国一般市民にもたらす恩恵について問われた時であった。 答えるトランプ氏は、まず初めに「ジャパン」の事例を持ち出した。「日本の事例を見よ。我々は5500億ドル近くを勝ち取った。プロ野球選手の...
  • 続きを読む

FRB内の亀裂露呈

2025年8月5日今回の雇用統計ショックに、二人のFRB高官が「過剰反応」と異を唱えている。まず、パウエルFRB議長の右腕と見られているNY連銀ウィリアムズ総裁は、米労働市場は過熱状態が徐々に冷却化されている過程であり、悪化とは言えないと見ている。9月FOMCでの政策金利決定に関しては「オープンである」と断言を避けた。更に、クリーブランド地区連銀ハマック総裁も「今回の雇用統計には失望したが、インフ...
  • 続きを読む

たまるか!米雇用統計ショック

2025年8月4日 先週金曜日午後9時半に発表された雇用統計。今回の数字は想定以上の下落。更に、前回および前々回の新規雇用者数が大幅に下方修正。 そして、12時間後の土曜日午前9時半から、BSテレ東の「日経サタデー ニュースの疑問」に生出演。TVerで1時間番組が全部見られるよ。 日経サタデー ニュースの疑問 私の反応は、たまるか!(今のNHK朝ドラで飛び交う高知弁で、びっくり!ということ)。まぁ...
  • 続きを読む

米国経済スタグフレーションならば、金の独り勝ち

2025年8月1日 金価格が更に上昇するための条件のひとつとして「スタグフレーション」が挙げられる。インフレと景気後退が同時進行する最悪のパターンだ。もしスタグフレーションになれば、金の独り勝ちとなろう。 そこで米国経済の現状を吟味しておきたい。今週発表された4-6月期の米GDPは前期比年率で3.0%増。関税政策が景気に対する下押し圧力となっているが、米国経済は懸念された失速を回避している。 但し...
  • 続きを読む

プラチナ爆下げ

2025年7月31日 TBSテレビのTHE TIME,のプラチナ特集に出演して「いつまでも上がり続けると思うな。ワイドショーが扱い始めたら一相場終わりだ。」と語り、その発言はカットされたことを昨日書いた。オンエアで採用されたコメントは「NY市場では今日プラチナ買って、来週には儲けたいと思っている人が多数いる。」、「投機的だから注意。」。そう言った途端にNY市場でプラチナ暴落。個人的には悲しいけどね...
  • 続きを読む

今週はFOMCと雇用統計に注目

2025年7月30日 今週はFOMCと雇用統計があるので金市場も様子見の姿勢だ。FOMCは、恐らくパウエル議長が利下げは慎重にとのスタンスを崩すまい。ここで利下げに踏み切る緊急性もないし、利下げ決定すれば、それこそトランプ大統領の威嚇に屈したと市場は見るであろう。 なお、ウォラー氏とボウマン氏の2名のFOMC参加者(FRB高官)が7月利下げ支持を明言しているので、FOMC内部の亀裂は露わになってい...
  • 続きを読む

日米関税合意、NY市場で評価、金急落

2025年7月24日 昨日、アジア時間帯で日米関税合意が発表された時は、国際金価格が僅かに下落した程度であったが、NY時間に入るや「米国の重要同盟国との画期的関税合意」と囃され、NY株は急騰。金は一転急落という成り行きになった。昨日の本欄で「勿論、利益確定売りの波で一転、下値模索になり、再び3500ドルの大台から突き離されるリスクもある。そうなると今年の高値は3500ドルという結果にもなりかねない...
  • 続きを読む

NY金、ゴールデンクロス視野に投機買い加速

2025年7月23日 今日はかなり専門的な話になるよ。国際金価格が3400ドル台で上げ加速中だ(緑線)。理由として、ブルームバーグ通信は8月1日に迫るトランプ関税不安(日本は今朝一応合意したが)を挙げている。 しかし、昨晩筆者がNY投機筋たち(モメンタムトレーダーと呼ばれる)と直接話したところでは、チャートでゴールデンクロスの可能性が意識され、投機的に買いが加速しているというのが実態である。理由な...
  • 続きを読む