豊島逸夫の手帖

  1. TOP
  2. 豊島逸夫の手帖

金の第一人者として知られる国際金融アナリスト豊島逸夫氏のブログを掲載します。
なお、本ブログの内容は豊島逸夫氏ご本人の個人的見解であることをご了解の上、閲覧ください。

豊島逸夫氏のプロフィール

豊島逸夫氏近影
豊島逸夫事務所代表。
1948年、東京都生まれ。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現三菱UFJ銀行)を経て、スイス銀行で外国為替貴金属ディーラーとして活躍。2011年9月までワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の日本代表を務める。独立後はチューリッヒやニューヨークでの豊富な相場体験と人脈をもとに、自由な立場から金市場や国際金融、マクロ経済動向について情報発信を行うとともに、“金の国内第一人者”として金投資の普及に尽力。投資の初心者にも分かりやすいトークや文章にファンも多い。得意分野はスキー系、鮨スイーツ系、温泉系。

最新記事

プラチナ続騰、1400ドル接近

2025年6月26日 昨晩、NYの連中とプラチナ高騰について詳しく意見交換した。やはり金価格との差が広がり過ぎたので、割安感から投機マネーが流入している。投機筋は理屈で動く連中ではない。まず買いを入れ、その後で中国需要増など後講釈を考える。その後講釈がもっともらしく活字となり、外電で流布される。折から金価格が3300ドル近傍で膠着気味なので、値動きの軽いプラチナが選好されている。 リスク耐性が強い...
  • 続きを読む

まだまだ遠い、金投資への道

2025年6月25日金ブームと言われて久しいが、では実際に金を買っている人が急増しているのかと言えば、まだまだ。確かに増えてはいるが「金?なんか怖い。」と尻込みする人が未だに圧倒的だと思う。筆者は金に限らず株や外為についても書いているが、総じて金の原稿へのアクセスはガタンと落ちる。「豊島さんって金の専門家ということだから、怪しい人という印象でした。でも実際に話していることを聞くと、凄く真面目な方な...
  • 続きを読む

停戦には素直に売り、米国参戦には無反応

2025年6月24日 金相場は下げたがっているかのような印象。米国参戦の時は殆ど動かず。今朝の「停戦」報道には素直に「売り」で反応している。利益確定売りを急ぐ市場のセンチメントが滲む。トランプ氏の朝令暮改で上がったり下がったりの繰り返しゆえ、いただけるものは早めにいただいておくというトレーダー心理。 中期的には3500ドル瞬間タッチまでのスピードが速すぎた。逃げ足の速いマネーの参入が目立った。その...
  • 続きを読む

続編、有事の金より有事のドル

2025年6月23日 続編を午後4時台に書いている。 結局、週明けアジア時間帯で金価格は上がるどころか下がった(KITCOグラフ緑線)。 一方、外為市場では円安・ドル高が進行して147円台。何のかんの言っても、米ドル決済システムがなければ貿易は成り立たない。実務の観点からは有事に米ドルが選好される。円の安全通貨神話も崩れている。 米ドル・米国債への長期的信認は薄れているが、だからと言って米ドル抜き...
  • 続きを読む

速報版、米国イラン参戦でも有事の金買いは限定的

2025年6月23日 遂に米国、対イラン参戦。ここは金価格の正念場だ。KITCOグラフの緑線が週明けだが、若干上がってジワリ下げ始めた。 先週、筆者は「米国参戦ならばメガ級イベントゆえ3500ドル」と語ってきた。そう言いつつ、実は心の中にわだかまりがあった。どうも最近金価格の動きが鈍いと感じていたからだ。それでもトランプ氏が対イラン参戦を決めれば、大きく上振れすると語っていた。この心の中の葛藤が依...
  • 続きを読む

利下げ回数より次期FRB議長候補、先走るNY市場

2025年6月20日一昨日開催されたFOMCについて、筆者が感じたことを以下に述べておく。今回のFOMC後のパウエル議長記者会見は、想定された質問に想定されたパウエル議長の答えばかりが目立った。年内利下げ予測に関して「利下げ無し」が前回の4名から7名に増えたことが目を引いた程度。そもそもトランプ氏の発言ひとつで、経済見通しも大きく変わるので、ドットチャート(FOMC参加者の政策金利予測の分布を示す...
  • 続きを読む

プラチナ続騰

2025年6月19日このKITCOグラフはプラチナの5年価格グラフ。久しぶりに1300ドルを超えた。昨晩、NYの連中と話したのだが、金価格が3500ドルの上値抵抗線を前にやや伸び悩み気味なので、出遅れ感があるプラチナが投機マネーの買いの標的になっているという。確かに投機筋のマネーを100万ドルとすれば、プラチナの方が重量ベースで3倍近く買えるのだから、「ちょっとプラチナで遊んでみようか」という気に...
  • 続きを読む

トランプ氏の目論見、中国経済狙い撃ちのオイルショック

2025年6月18日 米国はイラン産原油の禁輸措置という経済制裁を課している。そこでイランは船舶間の通信設備を持たないタンカーを用いて「影の輸出」を継続している。その90%は中国向けだ。足元を見られ、大幅なディスカウント価格をイランは受け入れざるを得ない。但し、中国側も原油輸入のイラン依存度が高いので、この「値引き価格」はジワリ上昇中だ。とは言え、この「影の原油売買」は人民元で決済されるので、イラ...
  • 続きを読む

市場が正しいのか、中東専門家が正しいのか

2025年6月17日 上の72時間グラフは、中東戦争勃発で国際金価格(スポット)がどう動いたかを雄弁に物語っている。 まず、すわ有事の金だ、買いだと急騰。赤線が3450ドル近傍まで上昇。この時、筆者は「これは3500ドル突破だな」と思った。メディア取材にも「異次元の中東発地政学的リスク、3500ドル必至」とコメントして、実際に活字で流れた。 ところがその後、原油・株価が反発・上昇に転じた辺りから様...
  • 続きを読む

イスラエル、イラン核関連施設空爆、有事の金

2025年6月13日 イスラエルが遂にイラン核関連施設を攻撃した。絵に描いたような有事の金買いで、国際金価格はスポット3420ドルまで急騰。原油価格も一時6%高。 但し、有事の金買いは高値掴みのリスクがあるからご用心。まぁ、今回は中央銀行の買いなど強い買い材料が同時進行しているので、金価格の上昇トレンドは継続するであろう。 仮に有事の金買いだけであれば、プロは吹き値売り。事前に「噂」で語られた段階...
  • 続きを読む