2025年8月8日
まだ真偽のほどは不明だが、FT(フィナンシャルタイムズ)が米国とスイスの関税交渉不調の結果、スイス製キロバーに39%の関税が課されると報道。
アジア時間のことで金市場は混乱。NY金価格(12月もの)がロコロンドン(スポット)より100ドル以上も高くなるという異常な状態が生じている。日経は国際金価格3500ドル超えと報じた。
8月の時点で最も取引の多い12月限のNY金先物価格がスポットよりかなり高くなる、所謂コンタンゴの状況は普通の状況だが、その値幅が100ドル近く開くのは、米国内でのキロバー品不足を見込んでの投機買いの結果だ。
しかし、まずFT報道が本当に正しいのか。日本との相互課税の齟齬問題にも見られるように、多数の国と関税交渉を同時進行で進めているトランプ政権が検討・確認する余裕もなく、当事国・当事者には重要なポイントが放置されることもあろう。
仮にスイスからのキロバーに課税するとしても、他国にも精錬所(リファイナリー)はいくらでもある。
更に、米国人は金現物にこだわらず、地金需要は限定的だ。COMEXの現受け用の取引所在庫は必要なので、ここで一時的に裁定取引が発生する可能性はある。
今晩のNY金市場に注目したい。