豊島逸夫の手帖

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トランプ氏の目論見、中国経済狙い撃ちのオイルショック

2025年6月18日

米国はイラン産原油の禁輸措置という経済制裁を課している。
そこでイランは船舶間の通信設備を持たないタンカーを用いて「影の輸出」を継続している。その90%は中国向けだ。足元を見られ、大幅なディスカウント価格をイランは受け入れざるを得ない。
但し、中国側も原油輸入のイラン依存度が高いので、この「値引き価格」はジワリ上昇中だ。
とは言え、この「影の原油売買」は人民元で決済されるので、イランは原油輸出収入の殆どを中国製品の輸入に使うことになる。

トランプ氏は断トツで機能性の高い米国製武器をイスラエルに「取り扱い勝手たるべし」とばかり、使用許可に動く。そこでイランの原油輸出基地も優先度の高い標的となろう。
そうなると米中関税協議で米国側は有力なカードを持つことになる。
中東発地政学的リスクと関税戦争は有機的に関わりあっているのだ。

市場もここまで読まねばならず、NY市場のトレーディングルームの現場では中東関連部門の社員が「臨時人事異動」で出張っている事例さえある。

筆者も毎晩の如く日本時間深夜に、NY市場の友人たちと意見交換のためのZoomセッションに参加。慣れてはいるものの、札幌サテライトオフィスで寝不足気味である。

気晴らしに深夜に開いているセコマ(セイコーマート)で、常に人気最上位のストロベリーアイスを買い求める日々(笑)。

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このアイスはアイスクリーム評論家を自任する筆者の一押し。たかがイチゴアイスと言うなかれ!(笑)

それにしても痛感するのは、今やネット環境さえしっかりしていれば東京でも札幌でも裏磐梯でも働く場所は関係ないね。札幌の方が大手町より早かった事例も体験したほど。もちろん長年構築したNYグループの人脈があればこそのことではあるが。こればかりは年長者の特権と言えようか。

2025年