2025年3月3日
トランプ大統領がビットコインなど5つの仮想通貨を米国政府の戦略備蓄の対象とすることを検討と発表。改めて仮想通貨にお墨付きを与えたことで、ビットコイン価格は1割以上も急騰している。ビットコインは金のライバルと見られがちで、デジタルゴールドとも呼ばれるが、ロコ・ロンドンで一時2830ドル台まで売られた後、2860ドル台まで買い戻されている。依然、金は調整局面だ。それも歴史的高値圏で。
では、金とビットコインの関連をどう見ればよいのか。
基本的に中央銀行が発行する通貨ではないことが共通部分だ。
通貨として見れば、ビットコインはブロックチェーンという確かなテクノロジーの裏付けがある。
とは言え、通貨の機能の面から見れば、両者は異なる。
通貨の価値交換機能の点では、ネット環境があれば、どこでも支払い手段として使えるビットコインが優れている。
しかし、通貨の価値保存機能の点では、明らかにツタンカーメン以来の時代を超えた価値を持つ金が有利だ。
そもそも一日で10%以上の価格変動があるビットコインは投機的資産である。対して金価格が一日で3000ドルから3300ドルに暴騰することなど考えられない。
今回はトランプ大統領が備蓄資産として認知する構えだが、4年後に米大統領が変わり、備蓄方針が変わればどうなるのだろうか。
結論は金とビットコインは両立するが、ビットコインの方が長期的価格上昇の継続が期待し難いということであろう。