2025年3月10日
「株価は政権の通信簿」と述べてきたトランプ大統領が「米国の黄金期を目指す過程では株価が下がることだってあるさ。経済が動揺することだってあるさ。」などとボソリ語り、ウォール街の話題になっている。基本的に強気の論調は変わらないが、株価が一時はトランプ期待で急上昇したものの、その後ほぼ就任時の水準にまで下がってしまったのだから、渋々譲歩した感じ。何というか、いつもより歯切れが悪い。
マーケットでは米国不況モードが益々強まっている。最近ウォール街で最も頻繁に聞かれる言葉はgrowth scare。経済成長下落の恐怖というような意味である。金市場でも直近の価格上昇の理由としてgrowth scareという言い回しが使われている。
先週金曜日発表の雇用統計は新規雇用者数が僅かながらも事前予測に届かず。その程度のことでgrowth scareと語られた。「タリフ=関税は最も美しい言葉だ」などと自慢げに語ってきたが、経済の現実は厳しいよ、トランプさん。