豊島逸夫の手帖

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トランプ氏は関税を急ぎ、パウエル氏は利下げを急がず

2025年2月12日

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国際金価格はロコ・ロンドンで2900ドルというとんでもない高水準で推移。NY金(4月もの)だと概ね2920ドル。

トランプ大統領のアルミ・鉄鋼関税(例外扱いなし)引き上げで米国景況感に暗雲。避難先として金にマネー集中。関税はインフレ効果もあるが、市場はデフレ効果を懸念している。

一方、パウエルFRB議長は議会証言で利下げは急がないことを明言。ドル金利高水準維持が連想され、利下げをテコに上がってきた金には下押し要因。

かくして、2900ドルをはさみ、強弱要因が拮抗している。
スピード違反気味の投機買いで2900ドルまで急騰したので、ここで一服は当然の成り行き。
もはや実需からは乖離した投機買い主導の展開。

日本ではドカ雪がニュースになっているが、国際金市場も投機買いのドカ雪が積り、いつ(売り手仕舞いの)表層雪崩を起こしても不思議はない。雪崩注意報と同時に更なる(買いの)豪雪警報も発令されるという極めてボラティリティーの高い地合いだ。
一般投資家はシートベルトを低くきつく締めてジェットコースター相場に備えよ。

なお、興味深いニュースとして、ブルームバーグが「中国政府は中国の『セイホ』も金購入できるような制度を構築中」と報道。保険会社と金は「有事に対する備え」という意味で共通点が多く、欧米でも生命保険会社の金ETF購入事例は珍しくない。

2025年