豊島逸夫の手帖

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金3000ドル、プラチナ1000ドルはニューノーマルか

2025年2月17日

まさかプラチナの価格が金の1/3になるとは。。。
仲間内ではプラチナ好きで知られる筆者は信じられない。否、信じたくない。

しかし、これは厳然たる事実。
プラチナはなぜ上がらないのか。

中国需要だのあれやこれや言われるが、筆者は「国が外貨準備でプラチナを持つことはない」ということに注目している。

法律上も金は「支払い手段」として認められているが、プラチナはやはりコモディティ=「産業用金属」。プラチナの中銀購入はあり得ない。

そもそも金市場も小さいが、プラチナは更に小さい。
プラチナ鉱山が出資する販促機関が発行する需給データが出回るが、プロは販促機関のデータは信用しない。
結局、機関投資家にとって扱いにくいメタルということになる。従って市場の流動性も限定的に留まる。

一方、貴金属ディーラーにはプラチナはおいしく有難いメタルだ。市場が小さいから自分たちで操れる。プラチナは現物持った者が勝ち。何らかの理由でプラチナ需給が締まった時、高いリースレートを吹っかけて大儲けできる。

対して、一般人はこれだけ値差が開いても、プラチナは金より格上のイメージを持ち続ける。プラチナクラブは絶対的にゴールドクラブよりランクが上だ。

筆者がプラチナ好きなのは、スイス銀行のディーラー時代にプラチナで大儲けを繰り返した実績があるから。同銀行を辞める時、銀行側は記念にプラチナメダルをくれた。「君がライバル行に行かず安堵したよ」とのメッセージをつけて。これってディーラーにとっては最高の送り言葉だよ。感激したのを思い出す。日経新聞の「私の記念の一品」というコラムに登場した時、迷わずそのプラチナメダルを披露したものだ。その頃はワールド・ゴールド・カウンシル所属だったのにね(笑)。

2025年