豊島逸夫の手帖

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どうなる金価格

2025年4月25日

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瞬間タッチで3500ドルをつけた後、3200ドル台まで暴落した金価格は3300ドル台前半で推移している。リバウンドがいまいち弱い印象だ。
とは言え、3000ドル台は異常とも思える歴史的高値圏。

この高値の最たる理由は中央銀行セクターが年1000トンを超す量の金を購入・退蔵していること。歴史的に俯瞰すれば、20年前の2005年において中央銀行セクターは663トンの売り手であった。需給統計でも「供給」サイドにあった。それが今や「需要」サイドで1000トン超え。絶対量として1600トン超の差である。年間生産量が3661トン(2024年)の市場で1600トンの差は大きい。しかも買ったら長期保有の退蔵である。金価格レンジの下値が切り上がり、3000ドルをつけても不思議はない。今の金相場はその現実を織り込む過程にあると理解できよう。

とは言え、いきなり3500ドルとはいかにもやり過ぎであろう。まだまだ値固めの期間が必要と感じる。もう一回2500ドルを見た上で、3500ドルまで買い戻されるシナリオなら納得できる。

どちらに転ぶかはトランプ氏次第。米中対立が激化するか、譲歩するか。その一点にかかっている。

2025年