豊島逸夫の手帖

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FOMC初日、銀とプラチナが急騰

2025年12月10日

フライング気味の値動きである。
今回のFOMCでも利下げが見込まれる中、いち早く利下げに反応するかのように銀が60ドルの大台を突破。
プラチナも1700ドル台。

需給面で品薄感が続く中、利下げは産業需要にプラス効果があるというのが買い方(=投機筋)の見方。投機筋としたのは、市場規模が金に比し小さいため値動きが軽いからだ。

金も4200ドル台まで上がったが、急騰と言えるほど派手ではない。

フライング気味と書いたのは、株式・債券・外為市場では一応FOMC2日目での正式利下げ決定を待つスタンスだからだ。

まぁトレーダー感覚で「早い者勝ち」とばかりに動く心理は分かる。
それにしても米国人は銀投機が好きだね。民族のDNAなのだろうか。
投機なら金より銀という発想が根付いている。
以前にも書いたが、リスク耐性が弱い日本人には勧めないよ。
じっくり金を買い増す方が日本人のDNAには合っている。

なお、昨晩は次期FRB議長最有力候補と見做されるハセット現国家経済会議委員長が、ウォールストリートジャーナル紙でのインタビューで「利下げをためらうことはあるか」と単刀直入に聞かれ「インフレ率が2.5%から4%に急上昇すれば利下げは適当ではなかろう」と答えた。さすがにトランプ親分もインフレ再燃・過熱ともなれば、中間選挙を意識してFRBに強引な利下げ強要をすることはあるまいとの読みであろう。

因みに米国CNBCが機関投資家を対象にFRB議長候補者で誰が望ましいかとアンケート調査したところ、ウォラー現FRB理事が最も人気があった。

それから今回のFOMCでは内部亀裂が鮮明だ。利下げ積極派(ハト派)と利下げ慎重派(タカ派)が見事に割れている。利下げが決定されても反対意見が数名、明示されるであろう。結局、米労働市場が本格的に悪化して救済的利下げが必要と見る参加者とインフレの方が依然懸念されるので、利下げには反対を唱える参加者と見解が大きく異なるわけだ。

しかも「データ次第の決定」を常とするFOMCで、肝心の雇用統計が政府機関閉鎖の影響で未だ出てこない。これではレーダーなき夜間飛行のような状況でパウエル議長も困っていることであろう。

最後に「場合によっては」の話だが、今回がパウエル議長最後のFOMCとなる可能性も一部では取り沙汰されている。既にレームダック状態だけどね。

さて、今日の写真は千疋屋のパフェ。

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久しぶりで美味かったが、本音は札幌東急百貨店地下の本当に牛乳だけの500円のアイスクリームの方が美味いと改めて感じた次第(笑)。

2025年