豊島逸夫の手帖

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イースター休暇明け、アジア時間で金続騰

2025年4月21日

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本日の金市場はアジアとNYがオープン。欧州はクローズ。
今朝は朝7時のシドニー時間から「待ってました!よーいドン!」みたいに金が大幅に買われた。
まずGLOBEXという国際金売買プラットフォーム。
そして上海黄金交易所。最近目立つアジア時間の「china buying」の典型例となっている。加えて金ETFも中国で人気化している。WGCのデータによれば、中国での金ETFの販売量は今年1~3月に23.5トンを記録。更に今月は既に11日間で29.1トンも買われた。

中国人の金買いと言えば、現物の金宝飾品とかその年の十二支が刻印された金地金などが主体であったが、特に若者層を中心に上海黄金交易所のT+D(毎日決済を繰り越す中国流先物)や金ETFが人気化しているのだ。アジア時間の国際金価格に与える影響も従来のGLOBEXに加え、中国人の金投機買いが即効性を持つ。中国では仮想通貨が全面禁止なので、類似する金が買われるという現象も起きている。

これを警戒的な目で見ているのが中国人民銀行。人民元への信認が薄れ、金の方が選好されるというのは彼らにとって決して好ましいとは言えない。とは言え仮想通貨は禁止できても歴史的に金選好度の高い国柄ゆえ、さすがに禁止というわけにもゆかない。何せ中国人民銀行が自ら外貨準備として金を買っているのだから(笑)。せいぜい大手商業銀行に金業務を派手にやるなという事務通達を出す程度。

写真は中国の大手商業銀行の金販売コーナーにあった中国黄金文化を説明するパネル。

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2025年