豊島逸夫の手帖

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金、一人勝ち、史上最高値接近

2025年1月31日

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ドル建て金価格の上昇が続いている。
円建て金価格も円高にも関わらず最高値更新。

国際金価格はロコ・ロンドン(スポット)で2800ドル乗せ。NY金(4月もの)2850ドル乗せ。最高値接近中(31日午後時点)。

市場の潮流としては昨日速報にて書いた1月FOMC後の上昇基調の延長と見てよい。FOMC後のパウエル議長記者会見が終わるのはNY市場大引け30分前。それゆえ記者会見を受けての売買は極めて時間的に限られ、翌日に持ち越される。FOMC後の本格的売買は翌日に顕在化するわけだ。当日では消化する時間的余裕もない。

更に、今回の金上昇は金市場だけ見ていても分からない。マクロの視点で世界的マネーの流れを把握することが重要だ。
具体的には「今、まともに買えるものと言ったら金ぐらいのもの」というNYのトレーダーの一言に集約されよう。株もドルも国債も方向性が不確実ゆえ、うっかり買えないのだ。
例えば、米国株を牽引してきたNVIDIAが過去最大幅の暴落を演じたことは既に書いたとおりだ。
結局、消去法で安全資産とされる金にマネーが集中する。

とは言え、中期的に見れば金の一人勝ちが年内続くはずもなく、2025年もまだ1月というのに2800ドル突破はスピード違反気味で、いずれ反動は不可避となろう。