豊島逸夫の手帖

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懸念される金暴落後の成り行き

2025年4月24日

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本欄ではこの2日間、「懸念」という表現を使ってきたが、昨晩はついに3300ドルを割り込む場面もあり、雲行きが益々怪しくなってきた。

そもそも、さすがに超高値で実需は世界的に引っ込む中で、ペーパーゴールドの売買だけが突出するという市場構造は危うい。
2025年もまだ4月だが、ひょっとして3500ドルが今年の最高値だったという結果になるやもしれぬ。まぁ、さすがに断言するにはまだ早過ぎるが。

相場の形も瞬間タッチ3500ドルを頭として、三角形になっている。
ひとえに、トランプ側の譲歩姿勢、軌道修正が日々明らかになりつつあることが、金の売り要因となっている。
今後、米中決裂ともならなければ、3500ドルが相場のアタマとなりかねないと見る所以だ。

では、ダウンサイド(下値)はどうだろうか。
年末まで見据えれば、ずばり2500ドル。
逃げ足の速いマネーが狭い出口に殺到すれば、売り一色になるリスクを孕む。
とは言え、2500ドルでも歴史的高値圏だが、3500ドルへの過程で買いを見送った実需筋から見れば買い時と見られよう。
3000ドル以下は実需で支えられると見る。

まとめると、順調に米中関税交渉が進めば2500ドル。
やはり中国が強硬姿勢を崩さなければ再び3500ドル。
4000ドルなどという予測も見かけるが、ウクライナで核兵器が使われるような事態にでもなれば無いとは言えない。
筆者は無いと思う。

このような市場環境では、やはり長期定額積立が鉄板だね。安い月には多く、高い月には少なく、買いを進めてゆく。これを続けることに意義があると断定できる。

なお、円高についての筆者の見解は今年は円高130円台。10年後は200円。変わりはない。

2025年