豊島逸夫の手帖

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金価格、著変なし

2025年12月8日

金価格は短期的にボラが高いが、基本的に4200ドル前後の水準で推移している。
歴史的には超高値圏ゆえ、さすがに4200ドル突破後も更に続騰して4500ドルを目指すというようなモメンタムは見られない。筆者も4200ドル前後を当面維持できれば御の字と考えている。

今週は何と言っても今年最後のFOMCが控えている。0.25%利下げが決定されることは織り込み済みだ。市場は新たなFRB議長を迎える来年、利下げがどの程度のテンポで継続されるかを見守る。トランプ大統領の子飼いであるハセット新議長ゆえ、全ては殿の仰せに従う姿勢であろう。政治的独立を維持してきたFRBが遂にホワイトハウスの出先機関となろう。ホイホイ利下げを続け、結局インフレが再過熱して利上げを強いられるシナリオだと金には逆風になろう。

なお、筆者は依然日中関係悪化を懸念している。トランプ大統領は「西半球」を重視して、日中関係や台湾には相対的に関心が薄い。そこまで読んで習近平主席は動いている。レーダー照射は銃を向け、撃鉄を起こすような動作を想起させる。そこで止まる保証はない。

2025年