2025年9月3日
ドラマチックな大相場になってきた。
国際金価格はロコロンドン3535ドル。NY先物(12月限)はなんと3604ドル(本稿執筆時、午前10時)。
昨日の続騰には新たな理由がある。
トランプ大統領の相互関税など関税連発は大統領の権限を越えた行為で、憲法違反との判決が一審に続き二審でも支持され、トランプ政権側は上訴して最高裁に持ち込むことに。違憲が確定すれば、これまでに徴収された関税は「利息」として還付される。仮にそうなると、巨額財政赤字の穴埋めに関税収入を当て込んでいたトランプ大統領には打撃となる。この財政悪化の可能性が懸念され、米債券市場では長期債が売られ、一時は利回りが5%を超えた。これは「悪い金利上昇」であり、金には買い材料となる。思い起こせば、ギリシャ債務危機の時はギリシャ債利回りが30%を超えても買い手がつかなかった。「悪い金利上昇」の典型であった。
そして金価格は急騰した事例がある。金は発行体がないので、発行体の信用に揺らぐことはない。無国籍通貨と言われる所以だ。
更に、昨日は米重要経済指標であるISM製造業景況感指数が発表された。48.7と前月の48.0を上回ったものの、個別では「雇用」が7か月連続で50を下回るなど、良い数字とは言えない結果となった。そうなるとFRBは利下げしやすくなる経済環境と言える。これも金には追い風。
かくして、既に米連休中のNY市場時間外で上げ始めていた国際金価格が、添付のKITCOグラフ緑線の如き上げっぷりになったのだ。スポットも3500ドル超え。筆者が強い上値抵抗線と見ていた3500ドルを、ロンドン現物とNY先物の両市場で本格的に突破したと言えよう。
因みにドル金利が上がれば、外為市場ではドル買い・円売り圧力が強まり、円建て金価格には追い風となる。日銀利下げの可能性も語られるが、150円程度の円安が見込まれる。
さて、3600ドルを超えると、益々金市場は「海図なき航海」状態となる。日々の値動きがプロにとっても未体験ゾーン。筆者のアドレナリンも出っぱなし。猫で癒される限界を超えているよ(笑)。昨晩もNY市場をフォローして徹夜状態。昼寝する前にブログを書いた次第。おやすみなさいzzz。