豊島逸夫の手帖

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速報 遂に米株メルトダウン、金価格も「とばっちり」

2025年3月11日

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本欄では7日付け「日経平均急落、令和のブラックマンデーを想起」、10日付け「トランプ、株安を認める」と立て続けに株安警報を発してきた。そして10日のNY時間に週明けのNY株は遂に大きく下げた。きっかけはやはり指摘したトランプ発言。

FOXニュースに9日に生出演した時に司会者から「あなたが大統領になった時、ビジネスマンで株価を重視すると鳴り物入りでした。でも関税問題で株価は下げています。これはどういうことですか。」
「ちょっと下がっているね。大したことはないよ。」
「あなたは動揺はあるというが、それは株価下落のことですか。」
「私が取り組んでいるのは強い米国を創ることだ。株価を見ることではない。中国を見なさい。100年の計で取り組んでいる。対して米国は3か月ごとに結果が出る。」
その後、如何に各国が米国への投資を増やしているかを長々と語った。
結局、市場は「トランプ株安を否定せず」との見出しに反応した。
特にハイテク株が多いナスダックで下げがきつい。

実は先週パウエルFRB議長の講演があり「米国経済は堅固」と断じていたので、市場にも安堵感が走っていた。
それがトランプ氏の一言でひっくり返された感がある。
NY市場はかなり動揺して、株の損失を含み益たっぷりの金を売却することで補う事例も見られた。

その結果、金価格も上がるべきところで下げ。でも2900ドルまでの上げが急だったからね。棚ぼた的な儲けと見られてもしょうがないよ。まぁこれも「有事の金」じゃないかな。株急落の有事にこれまで買った金を売って凌ぐ。金のヘッジ機能が発揮された事例であろう。

株安についてはトランプ解説の「短期」で終わるか否かは怪しい。今週も相次いで発表される米国経済指標で日々大きく振られることになろう。困った時の金頼みの傾向も折につけ見られることであろう。

それからドル安に動いたので結果的に147円台まで円高が進んだ。やはりドル建て金価格の上昇とドル高円安の同時進行という「都合の良い話」は続かないね。とは言え146円でも147円でも、かなりの「円安圏」と筆者は見ている。10年後には1ドル200円を想定して、筆者は自分の長期資産運用をしている。長期読者は筆者の資産の半分はドル建てということを繰り返し聞かされてきたしね(笑)。

2025年