豊島逸夫の手帖

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円建て金価格、久しぶりに最高値更新

2025年12月1日

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NY市場感謝祭休日明けに金価格がロコロンドンで4230ドル台。為替は155円台で、円建て金小売価格が23455円と過去最高値を更新した(業者により小売価格はばらつく)。

理由は米12月利下げ確率が40%台から85%前後まで急上昇したこと。金利を生まない金には追い風となる。

利下げ志向の背景としては、ハセット国家経済会議委員長が次期FRB議長候補として浮上したが、この人物はトランプ氏子飼いで、大統領のFRB金融政策への介入が強まる可能性が高まったため。

具体的には利下げへのバイアスが強まることになろう。皮肉なことに、重鎮で中立派とされるNY連銀ウィリアムズ総裁やサンフランシスコ連銀デイリー総裁まで利下げ寄りにハト派的コメントを言い放った。要は労働市場悪化が懸念され、ここは利下げで雇用を守るべきとの論旨だ。

なお、マネーの流れとしてはエヌビディア株を見切り売って、金銀に乗り換えるヘッジファンドの動きが目立ったことがウォール街では注目されている。エヌビディアも、更には一連のAI関連株もバブルではないかとの見解が急速に拡散している。本日の日経平均も急落した。これに対して中央銀行が金買いを主導している金市場はバブルとは言えない。

更に、銀価格が金以上の上げっぷりで注目されている。
上海黄金交易所はじめ、世界的に銀不足が指摘されている。
NY先物市場でも米国人は銀投機を好む。これは民族的DNAと言ってよかろう。筆者の友人、ジム・ロジャーズ氏も最近は「I like silver」と言って憚らない。

とは言え、筆者は銀を一般日本人投資家には勧めない。金より遥かに市場規模が小さく、値動きも激しく、じっくり貯金感覚で貯めることには向かないからだ。日本人のDNAには合っていないと思う。

米国人や中国人はここまで上がったなら、もっと上がると考える傾向があるのに対して、日本人はここまで上がったなら、もういいところであろうと引いて考えがちだ。要はリスク耐性の違いである。

今日の写真は季節外れの暖かさでベランダに無防備な状態で寝そべる猫ちゃん。カラスに突っつかれるニャン(笑)。

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2025年