豊島逸夫の手帖

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トランプ関税発動前夜、金、急反騰

2025年3月4日

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対メキシコ・カナダへの関税発動が遅れて(或いは遅らせて)いたが、3日にトランプ氏が「もう決まった!」の一言で4日発動を宣言した。株価は急落、円は150円台から149円台に急騰(筆者は「149円で円高かよ」と思っているが)。
そしてNY金は一時2900ドル台を回復。グラフのロコ・ロンドンでも2885ドル。2月28日には2830ドル台まで急落しているから、アッという間のリバウンド。

因みにビットコインは昨日書いたように約10%急騰していたが、約10%急落した。行って来いのゼロサムゲーム相場。

ドル円相場はこれまたトランプ氏の問題発言に揺れる。「日本は中国とともに通貨安を誘導してきた」。
相変わらず出たとこ勝負の一貫性に欠ける矛盾だらけの発言だが、市場は無視できず。筆者は軽くスルーしている。あほらしくて、まともに議論する気にもならないよ。

総じて「虫の目」だけで見ていると混乱するばかり。NISA個人投資家もさすがに日本株を買い続けてよいものか悩んでいるという。

結局、消去法でも金が選択肢として残る展開だ。

なお、昨日発表の経済指標で筆者が最も注目したのが米アトランタ連銀発表のGDPナウ。経済成長率の瞬間風速が明示される。昨日の同連銀HPによれば1-3月期の実質GDP予測はマイナス2.8%。2月28日時点の発表ではマイナス1.5%だった。
連日米経済指標悪化が続き、今週末の雇用統計次第では米国経済のスタグフレーション感が益々強まる市場環境である。

2025年