豊島逸夫の手帖

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金4000ドル割れ

2025年1028

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国際金価格が4000ドルの大台を割り込んだと言うと、何やら大暴落したかの如きイメージが湧くが、冷静に見れば、4000ドルと言えば歴史的にとんでもない超高値圏だ。前例なき真空地帯ゆえ、市場参加者にしてみれば海図なき航海を強いられる。

結論から言えば、今週はFOMC開催を控え、節目となる週ゆえ、短期売買の投機筋はその前に利益確定の売りを入れて、身辺整理した上でFOMCを迎えたいとの気持ちが強くなる。4000ドル近傍の歴史的高値圏で売れるのなら御の字ということだ。更に続落すれば、改めて買い直す意図も透ける。

一方、長期退蔵派はどんと構えて、売る気などサラサラ無い。

結果的に、投機筋が暫時退場して、長期投資派が残り、長期上昇トレンドはより堅固になるのだ。

外電はしきりにバブルだと騒ぐが、大量に金を買い進めている中央銀行にしてみれば「言わせておけ」。

中銀の買い、ドル離れ傾向、地政学的リスクなど金急騰の複合構造要因にいささかの変化もない。

2025年