2025年6月13日
イスラエルが遂にイラン核関連施設を攻撃した。絵に描いたような有事の金買いで、国際金価格はスポット3420ドルまで急騰。原油価格も一時6%高。
但し、有事の金買いは高値掴みのリスクがあるからご用心。まぁ、今回は中央銀行の買いなど強い買い材料が同時進行しているので、金価格の上昇トレンドは継続するであろう。
仮に有事の金買いだけであれば、プロは吹き値売り。事前に「噂」で語られた段階で金を買い、ニュースになった段階で利益確定売りに走る。その場合、結局有事の金に煽られて買った個人投資家が梯子を外される結果になる。まぁ、何と言うか、有事の金という言葉はおじさんの心を鷲掴みにする傾向があるのだね。
そもそも一般論としても、金は平時に地味に買い増し、有事に売って凌ぐのが本筋なのだ。スイスでの話だが、娘の誕生日ごとに金貨1枚と誕生日の写真をアルバムに貼り、娘が25歳で結婚するとすれば、25枚の成長の記録と金貨で分厚いアルバムになる。それを嫁ぐ前の晩に母から娘にプレゼント。嫁ぎ先が傾くような「家庭内有事」があったら、金貨を売って凌げという母の愛情溢れる言葉を添えて。筆者はその話に思わずホロッときたね。そのアルバムに貼ったものが株や国債であったら、そんなに感動は無いだろう。金貨ゆえ愛情が伝わる、つまりセンチメンタルバリューがあるのだよ。
なお、有事のプラチナとか有事の銀とかは無い。
その後のイランとイスラエルの動きを見るに、中東全面戦争に発展するリスクが否定できなくなった。仮にそうなった場合は金価格3500ドルを軽く突破するであろう。