2026年5月7日
GW前の4月29日と昨日5月6日の国際金価格を比べてみた。いずれもKITCOグラフ緑線参照。
GW前はざっくり4500~4600ドルのレンジ。↓
一方、GW後は4650~4700ドルのレンジ。↓
この差はイラン情勢と原油価格に尽きる。
GW中にウォールストリートジャーナル紙が原油200ドル説を流すと4500ドル接近。
米国とイランが歩み寄りの姿勢を見せると4700ドル接近。
原油価格が上がればインフレ懸念強まり、ドル10年金利4.44%まで上昇。FRB「利上げ」観測浮上。
それが昨日は4.35%まで下落。「利下げ」観測復活。
要は、原油価格に振り回されているのが実態。投機筋が原油価格次第で短期金売買に従事しているということ。ゼロサムゲームで虚しいが、これが現実。
冷静に見れば長期的上昇トレンドに変わりはない。
特に、1-3月期の中央銀行金購入が243トンと、年間1000トンのペースに増えていることは重要だ。
とは言え、日々売買が進行する国際金市場で、昨日も今日も明日も「中銀要因で買い」という進展にはならない。短期的思惑が働くからだ。
特に、イラン情勢を巡る思惑はトランプ氏やイランの一言で大きく変わる。
直近は米国とイランの歩み寄りの姿勢が強調されているが、これとて気まぐれトランプ氏のひとつの投稿で決裂にもなりかねないリスクが潜む。
当面、薄氷のイラン・ホルムズ情勢が焦点になり続けよう。
長期コツコツ型の投資家は中東専門家の意見を聞いて、フムフムと言っていれば良いだけ。いつものことだが、いちいち反応するのは肉食系投資家ということ。
一方、日経平均は上昇が目覚ましい。
中期的な視点ではイラン情勢の影響を受けにくいAI・ハイテク関連銘柄が買われ、内需関連銘柄は逆に値を下げる傾向が見られる。
中期的に値が上がる銘柄が約7割。下がる銘柄が約3割。
バブルの匂いも漂うので株を買うがヘッジに金も買っておくという投資行動も見られる。確かちょっと前まで株専門家が「金はもはや安全資産にあらず」と言っていたのが、ここのところ「金はやっぱり安全資産」と、ひらりと言い換える事例などを見せつけられると、要はポジショントークなのだねぇ。
新聞報道も上がっている時は連日「高値更新」の見出しが相次ぐが、下がり始めるとシーンとしている印象。「今は下げだが、いずれ上昇」では見出しとして弱いのかね(笑)。
それから連休直前に始まった外為市場介入。これはX@jefftoshimaにも書いてきたが、アウェーのNY市場で世界の投資家や投機家を相手に市場の主流に逆らう介入は無理筋。160円台から始まり、157円で追加介入。155円台までの円高がやっと。
ちょっと日本金融当局が介入の手を緩めれば直ぐに156円、157円と元に戻ってしまう成り行き。介入で短期的売買は抑え込めても長期の円安の流れを人為的に変えられるものではない。
それでもやらねばならないのが、敢えて同情的に見れば、日本金融当局の宿命か。永田町の政治的思惑が透ける。
オリンピックではないが、介入に参加することに意義があるとでも言えようか。「政府として、やるべきことは、やりました」と言えることが大事と見た。
介入については筆者も介入開始直後にメディアでコメントした。なぜか肩書が「エコノミスト」に成り代わっているが(笑)。
原油高でトリプル安 財務相「断固たる措置近づく」牽制後に円急伸 介入観測浮上(産経新聞) - Yahoo!ニュース
円安傾向は円建て金価格には上昇圧力となるので重要である。