豊島逸夫の手帖

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トランプ様の一言に救われた金さん銀さん

2026年1月28日

まず、金価格推移(上)、銀価格推移(下)。

金価格4237a.gif

銀価格4237b.gif

昨晩のNY市場では、金銀ともに5000ドル、100ドルレベル超えで、さすがに利益確定売りがまとまってでた。それでも金価格はなんとか持ち堪えていたが、銀価格は急落中であった。

そこにトランプ発言の報道。
「ドル安?いいじゃないの。Great!だよ。」
この一言でドル全面安がエスカレート。
ドルの代替通貨とされる金には恰好の上げ材料。金が上げれば、負けじと銀も同調。

金市場はほぼ材料出尽くし、今週は専らドル全面安が推進力だ。
特にNY外為市場で日米協調レートチェックが効いた。ドルインデックスでは円の割合は13.6%に過ぎないのに、ドルインデックスはこの1週間で99台から96台まで急落している。日米レートチェックがドル全面安を誘発したのだ。円高で日銀も財務省も高市首相も暫時ホッ。トランプ大統領は自国通貨安で米国製品の国際競争力が強まるのは望むところだ。日米同床異夢の展開である。そして貴金属市場にしてみれば、ナイスタイミングで日米当局の足並みが揃ったというところか。

とは言え、円高は円建て金価格に関しては下げ要因。
これまでのように円安・NY金高という都合の良い組み合わせは取りあえず一休み。

しかしながら、協調レートチェックから実弾投入の為替介入になったとしても問題の先送りに過ぎない。昨年の大規模介入後、結局160円近くまで戻してしまったことを思えば、血止め効果しか期待できまい。

病巣にメスを入れるとなれば、財政規律重視により消費減税を撤回せねばならない。しかし永田町のロジックで消費減税に手を付けねば選挙に勝てない。わざわざ「責任ある」と取って付けても、債券市場では財政赤字膨張不安を懸念して、日本国債売りに歯止めがかからない。円長期金利は高止まり。この円金利高をNY市場がどれほど不安材料として見ていることか。
本欄でも書いてきたように、筆者のところにはNY勢から深夜の電話問い合わせが依然続いて、筆者の睡眠不足は続いている(笑)。

思うに米国も日本に引けを取らず、国の借金はばら撒きと減税のダブル効果で膨張中ゆえ、他人事ではないのだね。しかも、これまでは日本の借金証文である国債を「安全資産」と信じて日本人が買ってきた。然るに米国の借金証文を抱えるのは日本がダントツ。更に中国も米国債保有大国だ。

一般論として身内からの借金より、他人からの借金の方が取り立てを含め厳しいよね(いや、身内も厳しいという人たちも少なくないが笑)。
でも健全な経済成長で税収が増えれば問題ない。稼ぐ力となれば、残念ながらAIなどで米国がはるかに優る。

話が長くなるのでこの程度にしておくが、こういう状況に置かれた日本で現物の金が買われるのは、ささやかな個人の防衛策。金は配当も金利も生まないが、せめて財産の価値だけは守りたいという思いが伝わってくる。昨年の日本でのファンドの運用実績ランキングによると、1位から40位までにゴールド関連が実に11本!トップ3は金関連が独占。今年はさすがにそうはならないとは思うが。筆者の友人の澤上さんのファンドが400位台。人気あった「ひふみ」が200位台。マネー誌も困っていることだろうね(笑)。私はいたたまれず、100回以上続いた日経マネー連載コラム「豊島逸夫の世界経済深層真理」を止めた次第。でもまぁ、YouTubeではお付き合い継続中。

最後に、私のXのアカウント@jefftoshimaの返信欄に私のアイコン使った「なりすまし」がしつこく出没している。くれぐれも注意して。

その後、アジア時間で中国勢の買いにより、更に金価格が続騰している。
為替は日米協調。金は日米中協調かね (笑)。
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