2026年3月2日
週末一気に悪化したイラン情勢については、メディアでいろいろ報道されているとおりだ。
問題は金価格への影響である。
絵に描いたような「有事の金」。地政学的要因は短命に終わることが多いが、今回ばかりは長期化リスクもあり、例外となりそうだ。
まず戦争の長期化、更に湾岸諸国も巻き込まれ戦線の拡大。
中東は「国のメンツ」が重要視され、イランも誰が最高指導者になろうと、このまま黙っているわけにはゆかない。トランプ氏も国内不支持率急上昇で焦っている。実に危うい経済政治環境だ。
結論から言えば、イラン発の地政学的リスクが金の急騰を招くというより、価格レンジの下値を切り上げることになりそうだ。具体的には5000ドルが下値となりそう。
さすがに5000ドル台ともなれば実需は減少。新規の買いも、これまでのような熱気は感じられない。そこに降って湧いたようなイラン動乱。本稿執筆時点(月曜昼)には5300ドル台で推移している。5500ドルが視野に入る。
但し、NY金市場には逆風も吹き始めている。
ホルムズ海峡発原油高以外にも、米インフレ再燃の可能性を重視して、FRB高官たちが利下げに消極的になり始めたことだ。
雇用の問題もAIが人間にとって代わり、失業や解雇増が懸念されるのだが、これは構造的問題でFRBが利下げすれば好転する話ではない。
今週は雇用統計など労働関連指標発表が相次ぐので、中東ばかりに目を奪われていると思わぬところで足をすくわれるリスクがある。
とにかく5300ドルというのは歴史的に信じられないほどの高値圏(下の1年金価格グラフ参照)。
個人投資家は眼が慣れてしまって、もっと上がらないのが不満と言わんばかりの姿が目立つ。
とにかく5000ドルを超えると維持するだけでも大変なことよ。NY市場では、隙あらば売り倒したいという投機的ヘッジファンドが、うようよ徘徊しているからね。謙虚になりましょう(笑)。
過去一年の金価格グラフ↓
