豊島逸夫の手帖

  1. TOP
  2. 豊島逸夫の手帖
  3. バックナンバー
  4. インド、国民に金購入自粛要請
Page4293

インド、国民に金購入自粛要請

2026年5月12日

エネルギーショックに晒されているインドのモディ首相は、その対策のひとつとして、国民に1か年の金購入自粛を要請した。

インドは世界第二位の金需要国ゆえ金輸入額も大きく、国際収支赤字の要因になっている。そこでエネルギー輸入負担を和らげる一策として、金購入自粛という措置をとったのだ。

インドは金への文化的選好度が高い国民性で、イラン有事に対する金購入というより、娘の持参金としてゴールドジュエリーを持たせる習慣がある。それゆえ「金輸入禁止」ではなく、「自粛」と言う措置に果たして効果があるか疑問だ。そもそもインドの海岸線は長く、密輸が日常茶飯時だ。ドバイから船で大量の金塊が密輸されているが、それを取り締まることなどできるはずもない。

更に考えられることは、エネルギーショックが庶民生活を直撃すると、「持参金=持参ゴールド」を売って凌ぐというような現象が出るのではないか。或いはゴールドが規制されるなら、シルバーで代替する動きが出るやもしれぬ。たまたまのことだが昨晩のNY市場で銀価格は急騰した。但しインド要因ではない。単なる投機筋の動きだ。

いずれにせよ、話題性はあるが今回の措置で国際金価格に影響があるという展開にはならない。現物需要要因はジワリと効くもので即効性はないからだ。

なお、添付写真はインドのジュエリーショップのシルバーコーナーにて。筆者が手にしているシルバー製品が金色がかって見えるのは映り込み。庶民はシルバーコーナー。お金持ちはゴールドコーナー。 銀を「貧者のゴールド=poor man's gold」とは言いえて妙。

4293.jpg

2026年