豊島逸夫の手帖

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ECBフォーラムでのウォーシュ発言

2026年7月2日

昨晩、毎年ポルトガルの観光都市シントラで開催されるECB中央銀行フォーラムが行われた。ECB、イングランド銀行、カナダ中央銀行のトップと登壇したウォーシュFRB議長(我が国の植田総裁の病気のことも語られていた)。市場は寡黙とされるウォーシュ氏がパネルディスカッションで何を語るか興味津々で見守った。

そこで金価格が反応したのは「インフレ期待は減少しつつある」との発言。原油価格が落ち着いてきたゆえの現象だが、金市場は「すわ、タカ派的インフレ対策後退か」と受け止め、利上げ観測も後退かと早とちりした。
しかし、その後に「物価安定を実現させる」と利上げを改めて示唆。市場はやはりタカ派かと受け止めたのだ。
結局、金価格は4000ドルの攻防が続くことになった。QTの問題も先送りされた。
そして、今晩は雇用統計発表。結果次第で3900ドル台進行も4100ドル突破もあり得る。

さて、ウォーシュさんだが、私は彼の言動や振る舞いが好きだね。スマートな言い方で意地悪な質問も切り抜ける。決して言質を取らせないが、適宜ジョークも入れ、突っぱねるような発言はしない。まだ就任直後だが、なかなかのやり手と見た。今後が「楽しみ」。
金市場も今後は彼と付き合ってゆくことになる。まぁ「楽しみ」と言ったが、金価格には上げ要因になるか、下げ要因になるかはデータ次第。トランプ大統領からの「利下げ圧力」について問われた時も「FRBの独立性は重要」とサラッと語った。
さて、二人の蜜月はいつまで続くことか。

今は誰がFRB議長になっても物価と雇用の安定を両立させることは容易ではない。株式、債券、外為、そして商品と全ての市場がハラハラしながら見守っている段階だ。

2026年