豊島逸夫の手帖

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スペースX株時価総額増えると金には下げ圧力

2026年6月17日

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足元の金価格はこの48時間4300ドル台で膠着(KITCOグラフ赤線と緑線参照)。青線が示す急騰時から大きく動かないと言うか、動けず。ショートカバーの買いが一巡後、新規買いが出ない。200日移動平均線を下回る展開だ。

その背景を見るに理由は三つ。
まず、イラン紛争が薄氷の合意。素直に受け取れない。最重要の核問題は今後の交渉次第扱いで、「合意」と言っても時間稼ぎじゃないの。うっかり合意、即、新規金買いには動けない。

次に、明朝のFOMC。市場はFOMC参加者の金利予測分布を示すドットチャートに注目するが、新FRB議長はドットチャートを廃止したい意向。FRB側からむやみに今後の金融政策について予測的な情報を出すと市場が混乱するとの危惧。なお、「廃止」まで強行せず、新議長のドット抜き(自らの金利予測はしない)という異例のドットチャートになる可能性も。

更に、市場は年内「利上げ」1回を織り込みつつあり、それで金利が付かない金が売られたわけだが、ここにきて「利下げ」観測が再び出始めた。まだ少数派だが、インフレ4%で実質賃金がマイナスとなり個人消費が痛むので、景気重視の「利下げ」すべしとのリフレ派の見解だ。新議長はAIによる生産性向上の効果があり、利下げする余裕もあると考えているとの解釈もあるのだ。議論がややこしくなるが、AIに関する新規開発投資等の飛躍的増加が、そもそも景気を支えるとの見解もある。FOMCでどのような議論が交わされるかは、後日の議事録公開で明らかになる。

とにかく米金利の動向は国際金価格にとって目下最大の変動要因であることは間違いない。筆者が毎晩NY筋と話してもドル10年金利とか2年金利の話題ばかりだ。金市場内ではWGCの調査で中央銀行金買い傾向が増加しているとのレポートもあるのだが、「そんなこと分かっているぜ」と軽くスルーされている感じ。このあたりが価格主導権を握るNY市場の発想と金の需給を重視するロンドン派の発想の違いだね(筆者は基本的にロンドン(チューリッヒ)派出身なのだが、独立して組織を離れ、自由に且つ冷静に価格の動きを見ると、NY市場の影響が圧倒的に勝る現実を認めざるを得ない次第)。

その一環としてスペースX株の時価総額が増えると市場がリスクオンになり、リスクオフで上がる金に売り圧力がかかるという事実も指摘される。これも金価格膠着の理由のひとつに挙げられている。何せIPO後、同株価前日比17%上昇して、時価総額が2兆9700億ドル(475兆円)という途方もない数字となった。専門用語を使えば、スペースX株が民間の投資マネーをクラウドアウト(crowd out)している。

以上が昨日今日の足元の状況。

とは言え、金価格グラフを長期10年で見れば歴史的高値圏に留まることは明らか。4000ドルを新たな起点に長期上昇トレンドに変わりはない。

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最後にギョッとする写真。
札幌、狸小路にて熊の剥製(?)。今や洒落にならないね~。

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2026年