2026年3月19日

昨晩のNY市場では、まず米卸売物価指数2月分が0.7%上昇と上振れしたことで、緑線(KITCOグラフ)が大きな右下がりになり、一気に4900ドル割れ。やはり関税と原油高でサプライチェーンの川上では、ジワリ生産者物価が上がっていることが実証された。
そして、日本時間早朝FOMC終了。今回はFOMC参加者の金利見通しを示すドットチャートと恒例のFRB議長記者会見が注目された。
まず、ドットチャートに関しては、参加者19名のうち7人が利下げせずとの予測。更に7人が利下げ1回説。5人が2回以上の利下げ説。
総じて、利下げに慎重な見方が目立ち、金利を生まない金には逆風。
更に、記者会見でパウエル議長が「そもそもドットチャートでの金利予測など難しい」と異例の疑義を述べたことも、米金融政策の難路を浮き彫りにした。
要は、原油高が物価・雇用に与える影響を今の段階で予測することは無理筋ということだ。
結果的に、FOMCで金価格は4800ドルスレスレまで続落。その後、若干持ち直している(本稿19日朝執筆時点)。
今日のアジア勢が追い打ちをかければ、4800ドルの攻防になりそう。

中期的な視点では、やはり4600ドルから5400ドルまで暴騰を演じたことが異常であった。その反省で調整局面が続いている。長期的には4000ドル台でも、歴史的な超高値圏。4500ドルまでの調整も視野に入ってきた。
総じて、長期的上昇トレンドの値固めの過程と見る。毎回繰り返すが、上昇ファンダメンタルズにいささかの変わりもない!金から原油に投機マネーがシフトしただけのこと。あたふたするな!
なお、記者会見でパウエル議長が「次期FRB議長ウォーシュ氏の議会承認が遅れれば、私が退任後も当面代行する」という趣旨の発言をしたことが注目されている。
最後に、刻々と動くイラン情勢の金価格への影響だが、悪化すれば原油高→インフレ懸念→利下げ観測後退で金は売られる。これがウォール街の反応なのだ。
外為市場では、引き続きドルの信認が戻ったわけではないが、消去法でドルが買われている。ドル円160円で介入の現実味も強まっている。介入があれば、円建て金価格には外為市場から下げ圧力がかかる。
総じて、日本に限らず、インド・中国・米国でも金地金や金製品の売戻し(リサイクル)が目立ち始めた。金急騰中はもう少し我慢して、少しでも高く売りたいという気持ちが、ひとたび売り基調が顕在化すると、一挙にもっと下がる前に売りたいという気持ちに変わるもの。筆者は「当面の生活資金に困っているなら、お売りなさい」、「資金面で余裕があるなら、売らずに持ち続けなさい」と説いている。