2026年4月14日
筆者はワールドゴールドカウンシルの立場でふたつの金ETF商品開発・上場に直接関与した。とにかく産みの苦しみを味わったので、我が子のように可愛い。
金ETFを通じて一般個人投資家の金市場参加の機会が増えたことは間違いない。最初は年金基金向け商品であったが、いざ上場されると売買の主役は一般個人投資家と機関投資家になった。
セルサイド(販売業者)も品揃いの観点で必要な商品と位置付けた。
しかし、良いことばかりではなかった。
今回の金急落劇の引き金を引いたのも、金ETF売却の波であったからだ。
金ETF保有の投資家たちは、もちろん地政学的リスクも重視するが、そもそも株や債券を保有・売買してきた人たちが多いので、最も「金利」に敏感であった。
ここが金のインゴットを保有する人との違いだ。金地金を買う人は0.1%の金利差など見ない。地政学的リスクなどの不透明要因から資産を守る意識で金を買う。この人たちは滅多なことでインゴットを売却することはない。逆に長期保有を増やす意識が目立つ。
対して、金ETF保有者は金価格が下がったら売って、安くなったらまた買い直す程度の意識が目立つ。現物の金への愛着が違うのだ。
故に、筆者は地金保有者が金の底値を切り上げ、金ETF保有者が次の価格上昇サイクルのエネルギーとなると見ている。