豊島逸夫の手帖

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金価格、4000ドル割れ目前

2026年6月24日

本稿執筆時点の24日午後2時、国際金価格は4060ドルまで下落中だ。やはりウォーシュショックの影響が強く、市場は年内2回利上げを織り込み中。

今日の最大の要因はドル高。ドルインデックスが101を超えた。
売り手の主体は短期投機筋。下げのモメンタムに乗って売り続けている。彼らは今年前半、5400ドルへの過程では上げのモメンタムに乗って買い続けた。投機筋の短期売買はゼロサムゲーム。
今回の売りも早晩買い戻されよう。

重要なことは中、長期スパンで売買する投資主体の動きだ。
年末までのスパンで見ると、これまで金価格上昇を支えてきた要因は変わらない。
・中銀が外貨準備のドル偏重を是正して、金を含む通貨分散に動いていること。
・ドル高と言っても国際基軸通貨としての米ドルへの信頼が強まったわけではないこと。
・地政学的リスクも中東圏以外は原油価格への影響は限定的。リスクヘッジとして金は買われること。

そしてウォーシュ要因だが、利上げの織り込みが速すぎる(年内2回の利上げ)。年内には陳腐化する可能性がある。所謂織り込み済みになるということだ。ウォーシュ氏自らが市場の利上げの見方に牽制をかける事態も考えられる。今後7月1日にはECB(欧州中央銀行)主催の中央銀行フォーラムが例年の如くポルトガルのシントラで開催される。ウォーシュ氏も登壇するので諸々質問を受けるであろう。そこで同氏の利上げ関連の発言が注目される。

更に、8月27~29日には、これも恒例のジャクソンホールで中央銀行シンポジウムが開催される。過去の同会議でのFRB議長の発言が市場を震撼させた事例が想起される。

要は、まだ1回だけFOMC後の記者会見で語っただけで、詳細は分科会(タスクフォース)を設置して、外部の識者も交えて議論する姿勢なのだ。
場合によっては、市場の利上げ織り込みのスピードを懸念して、発言のニュアンスを変えるかもしれない。

更に、利上げ大反対のトランプ大統領とどのように向き合うのか。このままゆけば正面衝突は必至。FRB議長に指名してくれたのがトランプ大統領ゆえ、ウォーシュ氏の立ち回りが注目されるところだ。

今はイラン関連のトランプ発言に振り回されている市場だが、いずれ金融政策関連の同氏発言がマーケットのボラティリティーを上げる事態も認識しておくべきであろう。

特に、FRB発の情報を制限するのがウォーシュ流ゆえ、投機筋が市場の不透明感を利用してマーケットを荒らす事態が考えられる。
まだウォーシュサプライズから1週間も経っていない。冷静に見守るべき局面であろう。

なお、グリーンスパン氏の懺悔については後日説明する。今日のところは切迫感が強い、足元のマーケット状況について書いた。

今、新幹線車中ゆえ取り急ぎ。

2026年