2026年6月26日
昨晩の注目はNY連銀ウィリアムズ総裁の談話であった。
「現在の政策金利は正しい位置にある。利上げも利下げもする必要はない。」つまり「据え置き」ということだ。
NY連銀と言えばFOMCでも特別扱い。常時投票権を持つ(他の地区連銀総裁は毎年交代で投票権を持つ)。それだけに発言の重みが違う。
因みに、昨晩はシカゴ連銀グールズビー総裁も発言。こちらは「ウォーシュ議長は正しい。利上げすべし。」
つまるところFRB内で意見は割れているのだ。
確かにドットプロットを見るに、利上げ賛成者が9人と多数派ゆえ、市場が見る年内利上げ確率も7割を超えている。
しかし、冷静に見ればウォーシュ発言だけでいきなり利上げを織り込むのはあまりに早計ではないか。筆者は今が「利上げムード」のピークではないかと感じている。
更に、昨晩はFRBが最も重視するインフレ指標である個人消費支出(PCE)価格指数が発表された。中東紛争の影響でエネルギー価格が押し上げられたことから前年比4.1%の上昇。エネルギー・食品を除くコアの上昇率は前年同期比3.4%と市場予想と一致。インフレ圧力は強いものの、FRB早期利上げを更に強めるような数字ではなかったので、同統計発表後、金価格は反発した。織り込み済みとの理解である。
かくして、年内利上げを今の段階でフルに織り込むと、7月以降はその吟味が市場内で始まるであろう。具体的には利上げによる米国経済の負の効果も考慮されよう。一番分かりやすいのは、利上げすれば庶民の住宅ローン金利が上がるということ。企業業績にも総じて圧迫要因となる。雇用にも悪影響が及ぶとなると、FRBは雇用安定のための「利下げ」も考慮せざるを得まい。
ウォーシュサプライズが6月に起きたということは、年末までまだ半年を残す。今の市場で6か月は長いよ。市場の景色ががらりと変わる可能性十分。具体的には、例えば依然市場の底流に根強い「利下げ論」が勢いを得て、金の追い風になるシナリオになっても不思議はない。
こればかりは経済データ次第で神のみぞ知るところ。
本稿執筆時点(金曜スウェーデン戦直後4018ドル)、足元では金価格が4000ドルの攻防中である。