豊島逸夫の手帖

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金の第一人者として知られる国際金融アナリスト豊島逸夫氏のブログを掲載します。
なお、本ブログの内容は豊島逸夫氏ご本人の個人的見解であることをご了解の上、閲覧ください。

豊島逸夫氏のプロフィール

豊島逸夫氏近影
豊島逸夫事務所代表。
1948年、東京都生まれ。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現三菱UFJ銀行)を経て、スイス銀行で外国為替貴金属ディーラーとして活躍。2011年9月までワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の日本代表を務める。独立後はチューリッヒやニューヨークでの豊富な相場体験と人脈をもとに、自由な立場から金市場や国際金融、マクロ経済動向について情報発信を行うとともに、“金の国内第一人者”として金投資の普及に尽力。投資の初心者にも分かりやすいトークや文章にファンも多い。得意分野はスキー系、鮨スイーツ系、温泉系。

最新記事

ドル円160円近辺で越年も

2024年12月27日 金相場の爆上げと同時に、2024年の為替円相場が年末に来て158円近辺まで円安が進行したことも驚き。筋金入りの円安派を自任する筆者もまさかの展開に意表を突かれた。日銀がそう簡単に利上げできないことは分かっていたが、NY市場でFRBの利下げが続いてもドル金利(10年)が年末4.6%という高水準にあることが今年最大のサプライズ。如何にインフレが粘着質であるかを痛感した。結局、日...
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米沢に移住した「マガーリ」その後

2024年12月25日 本欄の長期読者ならお馴染みのイタリアン「マガーリ」@自由が丘。金業界の溜まり場みたいになったが、マダム(真由美ちゃん)の一大決心で米沢に移転。来年春開店を目指し、シェフ(タカさん)と頑張っている。筆者は小学校と中学校が同じ学域で、ご近所付き合いも長く、娘(妹?笑)を見る父親みたいにハラハラ心配しつつ見守っている。マダムのブログも時々更新されている。既に現地に馴染み、且つ慣れ...
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今年24年金価格予測、プロ全員大外れ

2024年12月24日 昨年末の予想 ↓ 米投資銀行大手のJPモルガンは2024年10-12月期の金価格は、平均2175ドルになるとした。2023年10-12月期の平均価格の見通し(1980ドル程度)と比べれば、1年後の金価格は約10%値上がりしているとの予想だ。 筆者も2200ドルとか2300ドルとか予測して、「凄い強気ですね~」と言われたことを思い出す。今や2300ドルなど「大暴落水準」だよね...
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FOMC翌日、FRB早くも内部亀裂露呈

2024年12月23日 12月FOMCでパウエル議長が利下げは急がずと大見得を切った。参加者の2025年予想利下げ回数も4回から2回に減った。19日木曜日のことだった。ところが20日金曜日に発表された最新インフレ率は低い伸びに留まり、この調子なら利下げ回数を増やしてもよいのではないかとのニュアンスの発言がFRB高官筋から相次いで出始めた。 金曜日に発表されたインフレ指標は、よりによってFRBパウエ...
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ワンノッチ円安、日本9連休にNY投機勢は手ぐすね

2024年12月20日 円建て金価格に思わぬ円安という神風が吹いた。昨日の日銀金融政策決定会合で、植田総裁が追加利上げまで「ワンノッチ」と語ったことが、投機筋の円売りに火をつけたのだ。日銀は利上げを遅らせ、FRBは利下げを遅らせる。円安要因とドル高要因の共振だ。しかも日本が12月28日から1月5日まで異例の年末年始9連休に入る直前にドル円市場が新たな円安段階に入ってしまった。 欧米は12月23日か...
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2025年、トランプ政権下、FRB「利上げ」も覚悟

2024年12月19日 虚しい12月FOMCであった。記者会見で関税の影響について聞かれ「未だ政策の全容が分からない。何時、どの程度、期間は、報復関税は、など全て不明だ」と長めの陳述で応じた。FRBは政治的に独立しているが、実質的にはトランプ政策次第で利下げ回数なども大きく振れ、金融政策が迷走する可能性が露わになった。データ次第で決めるとパウエル議長は常々語るが、2025年はトランプ政策の影響を受...
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対中強硬派ナバロ氏、FOMC直前、関税インフレに一石

2024年12月18日 ピーター・ナバロ氏と言えば、一期目のトランプ政権で対中関税など強硬な反中国政策の中心人物であった。トランプ氏の信頼が最も厚いスタッフとされる。しかし、一期目ではムニューシン財務長官とコーン国家経済会議委員長との仲が悪かった。ナバロ氏は大統領執務室での熱い議論の最中に、コーン氏が足で蹴り上げる所作に及んだとまで語っている。 今回は財務長官と商務長官指名決定後、二期目の人事の最...
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心変わり、やっぱり3000ドルに

2024年12月17日 来年の金価格見通しの上値は2900ドルと書いたが気が変わったよ。やっぱり3000ドルにする(笑)。まぁ100ドル程度の差は大したことないが、やっぱり3000ドルと言えば印象度は強いよね。 足元ではデジタルゴールドと言われるビットコインの暴騰の影でひっそり感を強める金市場だが、仮想通貨買いはモメンタムトレードの典型。勢いで上がっている。トランプ次期大統領のお墨付きはインパクト...
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儲け過ぎたファンドの悩み、NISA初心者組への教訓

2024年12月16日 もはやNY市場はクリスマス休暇モード。今週の12月FOMCが最後のメインイベントで、その後は実家に帰るなど休暇に入る市場参加者が少なくない。まだ市場で売買を続けているファンドも無理はしない。この時期にバタバタしているプロは余程大きな損失を抱えているケースが多い。しかし今年に限っては儲け過ぎという贅沢な悩みも見られる。まず金を買った人。そして株式市場でエヌビディア株を買った人...
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今週4連騰ならず、急反落

2024年12月13日 今週に入り、美しく3日連騰の形になっていた国際金価格が4日目に崩れた。下げ幅も40ドルを超す。 理由はひとつ。生産者物価指数(PPI)が上振れしたこと。前月比0.4%上昇と事前予測の0.2%↑を上回った。サプライチェーンの川上(生産・卸売セクター)では、まだインフレ再燃のマグマが沸々と湧き出している印象だ。こうなると、利下げなど実行すれば、インフレの火に油を注ぐ結果になるリ...
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