豊島逸夫の手帖

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金の第一人者として知られる国際金融アナリスト豊島逸夫氏のブログを掲載します。
なお、本ブログの内容は豊島逸夫氏ご本人の個人的見解であることをご了解の上、閲覧ください。

豊島逸夫氏のプロフィール

豊島逸夫氏近影
豊島逸夫事務所代表。
1948年、東京都生まれ。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現三菱UFJ銀行)を経て、スイス銀行で外国為替貴金属ディーラーとして活躍。2011年9月までワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の日本代表を務める。独立後はチューリッヒやニューヨークでの豊富な相場体験と人脈をもとに、自由な立場から金市場や国際金融、マクロ経済動向について情報発信を行うとともに、“金の国内第一人者”として金投資の普及に尽力。投資の初心者にも分かりやすいトークや文章にファンも多い。得意分野はスキー系、鮨スイーツ系、温泉系。

最新記事

トランプさん!ゴールド、持ってますか?

2025年3月21日 2024年はFRBが適度な物価上昇と雇用を実現させる「ソフトランディング」(経済軟着陸)がNY株式市場で囃され、ウォール街に年間流行語大賞でもあれば恐らくトップになるほどであった。それが2025年トランプ政権の時代となるや市場の景色が激変。ソフトランディングなど「懐かしい昔話」と化し、経済の軟化を意味するソフトエコノミーが今年のマーケットリスクとして急速に浮上中だ。 ソフトと...
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速報 NY金、3040ドルまで急騰

2025年3月19日 今週のメインイベントであるFOMC記者会見の前日、フライングかと思われるような国際金価格急騰(グラフはロコ・ロンドン)。筆者も3100ドルはあると見ていたが、このタイミングで3000ドル超えのレンジの値固めに入るとは想定していなかった。NY金市場最前線ではAI売買プログラムが多用され、買いが買いを生む連鎖が生じやすい市場環境になっている。人間の投機家だけではFOMC直前に30...
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いつまで続くトランプ相場

2025年3月18日 17日NY市場をフォローしていてギョッとしたのは、NY連銀製造業景気指数が、事前予測はマイナス2.1に対してマイナス20!と出たこと。普段はさほど注目される経済指標ではないが、あまりの激減ぶりがサプライズとなった。「やっぱりトランプ関税不況か」とのため息が聞こえてくる。 国際金価格はロコ・ロンドンでも3000ドル突破。とは言え、今週のメインイベントはFOMCだ。まだ一波乱あり...
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速報 NY金、3000ドル突破

2025年3月14日 NY金先物が一足早く3000ドル突破。ロコ・ロンドンはグラフのとおり2980ドル台。昨日金が爆上げするような特別の要因は無し。ワイン関税200%だけで金の爆買いは説明できず。モメンタムに尽きる。関税掛け合いの貿易戦争に勝者なし。独自の希少価値を持つ実物資産の金が一人勝ち。上げのスピードが再び加速してきた。3000ドル超えての金価格は極めてボラティリティーが高い展開が続くであろ...
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トランプリスクの注意点を解説

2025年3月13日 金価格は順調にロコ・ロンドンで2940ドル台まで来た。ひとえにトランプリスク(以下に詳述)に尽きる。個人的にはじっくり時間をかけて2900ドルを固めた上で3000ドルに到達して欲しいところ。まぁそう思いどおりにはゆかないことが多いけどね。贅沢な悩みというものだ(笑)。 さて、以下は筆者の見るトランプリスクに関する論文。 自由貿易理論は「譲歩の精神」を前提に成り立つ。各国が「比...
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保護主義は「全員負け」のシナリオ

2025年3月12日 筆者は一橋大学経済学部で「国際経済論」を専攻した。そこで学んだことは「自由貿易」。世界の国々が自国の得意分野に国のリソースを配分して、不得意分野は他国に譲る。さすれば世界経済のパイは成長して大きくなる。この「譲る精神」こそ自由貿易の要だ。 対して、保護主義とはお互いに関税をかけ合い、自国産業を必死に守る。そもそもが「喧嘩」の精神ゆえ、世界各国の経済が傷つき世界経済のパイは縮小...
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速報 遂に米株メルトダウン、金価格も「とばっちり」

2025年3月11日 本欄では7日付け「日経平均急落、令和のブラックマンデーを想起」、10日付け「トランプ、株安を認める」と立て続けに株安警報を発してきた。そして10日のNY時間に週明けのNY株は遂に大きく下げた。きっかけはやはり指摘したトランプ発言。 FOXニュースに9日に生出演した時に司会者から「あなたが大統領になった時、ビジネスマンで株価を重視すると鳴り物入りでした。でも関税問題で株価は下げ...
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トランプ、株安を認める

2025年3月10日 「株価は政権の通信簿」と述べてきたトランプ大統領が「米国の黄金期を目指す過程では株価が下がることだってあるさ。経済が動揺することだってあるさ。」などとボソリ語り、ウォール街の話題になっている。基本的に強気の論調は変わらないが、株価が一時はトランプ期待で急上昇したものの、その後ほぼ就任時の水準にまで下がってしまったのだから、渋々譲歩した感じ。何というか、いつもより歯切れが悪い。...
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日経平均急落、令和のブラックマンデーを想起

2025年3月7日 今日の日本株には朝から嫌な雰囲気が漂っていた。トランプ組(本欄ではトランプ政権とは呼ばない)のむちゃぶりを受け、前日の米国株が大幅安。しかも今日は雇用統計発表の日。 筆者は昨年8月5日、日経平均が4451円安の暴落を演じた「令和のブラックマンデー」を思い出していた。 NY市場でもあの日のことが未だに語られ、日本株が「仕手株」扱いになっているほどだ。あの日は午前中に海外筋の投機フ...
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トランプ施政方針演説、支持率6割超えの現実

2025年3月6日昨日ブログを書いた後、CNNでトランプ施政方針演説を視聴した。延々2時間余り。トランプ氏が「America is back!」と叫ぶと、議会場の右半分の共和党議員たちが一斉に立ち上がり拍手の嵐。その後も2分おきくらいにスタンディングオベーションが続いた。肝心の話が進まないので、筆者はイライラ。議会場の左側の民主党議員は憮然。彼らに向かってトランプ氏は「バイデンの愚策のせいで」など...
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