豊島逸夫の手帖

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金の第一人者として知られる国際金融アナリスト豊島逸夫氏のブログを掲載します。
なお、本ブログの内容は豊島逸夫氏ご本人の個人的見解であることをご了解の上、閲覧ください。

豊島逸夫氏のプロフィール

豊島逸夫氏近影
豊島逸夫事務所代表。
1948年、東京都生まれ。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現三菱UFJ銀行)を経て、スイス銀行で外国為替貴金属ディーラーとして活躍。2011年9月までワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の日本代表を務める。独立後はチューリッヒやニューヨークでの豊富な相場体験と人脈をもとに、自由な立場から金市場や国際金融、マクロ経済動向について情報発信を行うとともに、“金の国内第一人者”として金投資の普及に尽力。投資の初心者にも分かりやすいトークや文章にファンも多い。得意分野はスキー系、鮨スイーツ系、温泉系。

最新記事

金高騰で残骨灰の売却増える

2024年9月17日 金価格が高くなると「こういうこともあるのか」という日経記事。「年間157万人が亡くなる多死国家の日本で、遺体を火葬し骨ツボに収めた後に残る「残骨灰」に含まれる貴金属などの売却に動く自治体が目立つ。一方で住民感情に配慮し売らない例もあり、対応は割れる。火葬場に残る残骨灰には、故人が生前に歯科医療したとき使われた金やパラジウムが含まれる。一部の自治体は、これらを売却して、火葬事業...
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NY金市場、史上最高値更新、2600ドル視野に

2024年9月13日 2500ドル台前半で膠着していたNY金が昨晩突然急騰。中心限月12月ものは2587ドルを付けた。KITCO価格グラフは現物スポット価格だが、やはり2560ドルに迫っている。 急騰が始まったのはNY市場でPPI(生産者物価指数)が発表された直後。なぜ、このタイミングで? 9月に入ってからのNY市場は9月17~18日開催のFOMCがメインテーマ。いよいよ米利下げが始まることが確実...
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CPIと米大統領候補テレビ討論会

2024年9月12日 NY金は首題のふたつの材料をこなし、引き続き2500ドル台前半で推移。ドル円相場は140~143円のレンジで推移。 CPIは注目されたが、FRBが重視する「コア」CPI年率が3.2%と事前予測を0.1%上回った。しつこいインフレの印象を与え、9月利下げ幅予測が0.5%から0.25%に移った。とは言え大した動きではない。 テレビ討論会はトランプ氏に失言が目立ち、ハリス氏が僅差の...
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中国人民銀行の金購入、4か月連続でゼロ

2024年9月10日 中国人民銀行は8月末時点で外貨準備が3兆2880億ドルと2015年12月以来の高水準に達したと発表。以下は外貨準備ランキング。中国の外貨準備が増えたのはFRB利下げが近く、ドル安傾向に転じた結果、外貨準備の中のユーロ・円・金などの「他通貨」のドル表示価値が上がったことによる。 これは中国にとって困った現象。ドル安―人民元高になると中国製品の国際競争力が弱くなり、ただでさえ苦境...
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雇用統計でNY金は下げ

2024年9月9日 8月雇用統計は新規就業者数が142,000人で事前予測を若干下回った。更に6~7月分が86,000人も下方修正された。これはサプライズ。失業率は4.2%で概ね想定内。但し実質失業率(就職を諦めた人やフルタイム労働に就けずパートタイマーに甘んじている人を含めた数字)は7.9%と2021年10月以来の高水準。総じて利下げしなければ労働市場が更に悪化する可能性があり、9月FOMCでの...
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今週の本番は東京時間金曜夜から

2024年9月6日 9月6日NY時間朝に8月雇用統計が発表になる。これが今週のメインイベントで、それまでは前座。 雇用統計、特に注目は失業率。3%台で推移していたが7月雇用統計で4.3%にまで上昇。それまでは失業率が上昇すると経済過熱・インフレの鈍化が連想され歓迎されていた。しかし前回からは失業率上昇=経済悪化と解釈され、8月5日の日経平均過去最大の暴落を誘発した経緯がある。 FRBの姿勢もインフ...
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日本株のタイタニック・リスクに備えよ

2024年9月4日 レイバーデー(今年は9月2日)3連休が明けると、NY市場は一気に秋相場に突入する。特に今年は金融政策の緩和への転換と米大統領選挙戦が同時進行するという極めて稀な市場環境となり、マーケット心理も特に神経質になっている。更に8月5日に日経平均が突如過去最大の下げを演じたことが、未だに不気味な事例として市場関係者の語り草になっている。「アジア先進国株」という株式カテゴリーが、新興国並...
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読者からの質問

2024年8月29日 本日は最近セミナーなどで聞かれる疑問のいくつかに答える。 ・NY先物金買い残高が900トンを超えて最大級に膨らんでいる。これが相場の重しにならないか? 確かに潜在的売りエネルギーが溜まっている。臨界点に達すると表層雪崩的に売り手仕舞われる可能性はある。但し、そこで下がったところは買われるであろう。その理由は今回の金上昇相場がさまざまな複合要因の上に成り立っているから。日替わり...
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「敵は本能寺」パウエル議長の本音とは

2024年8月26日 ジャクソンホールの結果はほぼ想定内。NY金は引き続き2500ドル台の歴史的高値圏。先物買いの調整売りが入っても下値は買われるであろう。今後のテーマとして米新政権の財政政策が重要になる。具体的には放漫財政→米国債格下げ→安全資産としての金買い。リーマンショックでも経験済みのシナリオだ。 以下はそれを含めた筆者のマクロ的なジャクソンホール感想文。 ジャクソンホールでの「時は来たれ...
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近況

2024年8月22日 今年の京都五山の送り火は札幌で見た。31階からの札幌夜景をバックに生中継をビッグスクリーンで見るのも一興。食べる方は好物のビスクと北海道の海の幸のコンビ。十勝の純粋ミルクのソフトクリーム。 あ、仕事も時折りしてたよ。金価格は8月23日のジャクソンホールでのパウエル講演と雇用統計と9月FOMC次第だからね。8月に金価格がいろいろ動いたけど私はスルー。本番はこれから。というわけで...
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