豊島逸夫の手帖

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続編、有事の金より有事のドル

2025年6月23日

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続編を午後4時台に書いている。

結局、週明けアジア時間帯で金価格は上がるどころか下がった(KITCOグラフ緑線)。

一方、外為市場では円安・ドル高が進行して147円台。
何のかんの言っても、米ドル決済システムがなければ貿易は成り立たない。実務の観点からは有事に米ドルが選好される。円の安全通貨神話も崩れている。

米ドル・米国債への長期的信認は薄れているが、だからと言って米ドル抜きで国際貿易はできないということだろう。

更に、株式市場では株価もそれほど下がっていない。
原油価格はホルムズ海峡封鎖なら100ドルとの予測も流れるが、果たしてどうなることか。

金については、NY市場の連中は金価格の理論的整合性にはこだわらない。米国の対イラン参戦で、金が利益確定売りに晒され下がった。なぜそうなったかについて、それほどこだわらない。
金の調整局面が未だ続いているとの認識で、相場と対峙している。日本人には理解し難いことだが、彼らはドライに割り切る。明日は明日で、また違った展開になるやもしれぬ。

トランプ政権幹部からは、イランとの戦争は望まず、外交的ルートを模索しているとの発言も出始めた。イランも敢えてホルムズ海峡封鎖はせず、出口戦略を模索しているということであろう。

筆者も今日はまともに相場とつきあわず、札幌東急百貨店のご贔屓アイスクリームを食べつつ達観していたよ(笑)。

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2025年