豊島逸夫の手帖

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ゴールドでモノが買える時代が来るか

2025年9月11日

本欄でステーブルコインについて説明したが、金(ゴールド)を裏付けにしたステーブルコインという発想が出てきた。

ステーブルコインと金

仮想通貨化された金。ブロックチェーンという確かなテクノロジーを用いて、ネット上の「帳簿」に金の売買記録を残すわけだ。裏付けが現物の金ゆえ、ハイブリッド型の金仮想通貨とでも言えようか。

このメリットはネット環境があれば、デパートやコンビニでモノを買えるようになること。銀行送金せずとも、瞬時にネット上で売買決済できるわけだ。

ワールドゴールドカウンシルが試験的に試みるという。
発想は面白い。これまで仮想通貨は価値の交換に有利だが、金(ゴールド)は価値の保存機能に優れるという「通貨」としての特徴があった。それが金も仮想通貨化すれば、価値の交換機能も飛躍的に向上するわけだ。

もちろん、これから本格的な研究が始まる段階で、何年かかるか分からないが、意外に早く現実化する可能性もある。

当然のことながら、金の現物にこだわる人たちも多い。
ハッキングされるリスクも懸念されよう。
筆者は半ば野次馬気分で(笑)面白い発想じゃないか、取りあえずやってみたらと思っている。

なお、金価格に関しては新たな地政学的リスクと利下げの共振現象が起こりつつある。

イスラエルが介入役のカタールに居たハマス幹部を空襲。これはネタニヤフ首相の勇み足気味行動。

更に、ポーランド領空でロシアのドローンが撃墜。
これはプーチン大統領の勇み足気味。こういう事件が起きるとポーランド中央銀行の金買いも加速するのでは?

とにかく、いずれもかなりヤバイ。金に新たな「有事の金」需要が生じている。但し、いつも筆者が言っているように「有事の金のドカ買いは悪魔の選択」だよ。個人投資家を煽る投機筋も少なくないのでご用心。

 

2025年