2025年11月7日
米政府機関閉鎖が長引き、本日は最重要経済指標「雇用統計」発表の日なのだが、それを発表できる状況ではない。雇用状況はFRBがその悪化傾向を最も重視している。そこで民間では雇用統計を真打とすれば前座役の民間各種雇用統計を精査して、なんとか実態を把握すべく努めている。
昨日のチャレンジャー社の雇用統計(これまで全く注目されていなかったが、代替指標として注目されている)で10月の人員削減数が15万人超と、1~10月の累計では2020年以来の高水準となった。
これで一気に米労働市場悪化のレッテルが貼られる成り行きとなったのだ。
そこでまず売り込まれたのが割高感強く、昨日本欄で書いたパランティア社とエヌビディア社。
結果的にナスダックが売られリスクオフ状態と化した。リスク回避マネーは米国債に集中。
金は一服中とのことで微増に留まった(KITCOグラフ緑線参照)。

いずれにせよ「空売り王」マイケル・バリー氏は、してやったりとばかりに高笑い。
なお、金は売買を繰り返し、じわり価格水準を切り上げる段階だね。
総じて、金も米AI株も突出した人気ぶりに「バブルではないか」との議論が昨日も絶えなかった。筆者の「金はバブルにあらず」との見解は昨日本欄に記した。
AI株もまだAI時代の始まりの段階ゆえ、先取りして株価が上がっているわけで、バブルと簡単には片づけられない。
最後に日経平均。本稿執筆時点では5万の大台を割り込んでいる。
依然、日経平均指数の寄与度が著しく高いソフトバンクとアドバンテストが下げを主導する展開。来週のソフトバンク決算発表の結果次第では下げに拍車がかかる可能性もある。
株から金へのマネー逃避のシナリオも考えられる。
来週は波乱含みだ。
さて、最後にXの@jefftoshimaになりすましが現われているので注意を喚起しておきたい。
私のアイコンをそのまま使って、やれ秘書アカウントだ、やれアシスタントアカウントだと吹聴して、もっと詳細を知りたい人はこちらへなどと誘導している。私はXのアカウントでコメント欄に書き込むことはありません!この類のなりすましは消去してもすぐ現れるので、くれぐれもご注意を。
なお、真面目な質問もあり「アジア時間に買われているのはなぜ?」との疑問。これは中国人の富裕層長期的買いや中国のヘッジファンドの短期的買いだ。元来、不動産が最も重要な資産であったが、不動産市場破綻で、マネーが同じ実物資産でしかもドル建て資産である金に移りつつある。