豊島逸夫の手帖

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いつまで続くトランプ相場

2025年3月18日

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17日NY市場をフォローしていてギョッとしたのは、NY連銀製造業景気指数が、事前予測はマイナス2.1に対してマイナス20!と出たこと。普段はさほど注目される経済指標ではないが、あまりの激減ぶりがサプライズとなった。「やっぱりトランプ関税不況か」とのため息が聞こえてくる。

国際金価格はロコ・ロンドンでも3000ドル突破。
とは言え、今週のメインイベントはFOMCだ。まだ一波乱ありそう。

筆者の観点は、金価格が既に米国経済スタグフレーションを織り込み始めていること。
全世界情勢を見るに、マネーが安全資産の金に流入するような不安定な状況は続くので、依然金には強気なのだが、いずれ「織り込み済」となる時期が到来しよう。4月2日がXデーと言われ、カナダ・メキシコへの関税の猶予期間が切れ、いよいよ発動となる。
中期的にはこのあたりが正念場だろうね。トランプ関税は相手国との交渉のための材料として使われているわけで、金市場の買い材料としていずれ陳腐化するは必至。3000ドル超えで「虫の目」では3100、3200とモメンタムに乗った予測が流れる中で、市場の底流を見る「魚の目」を持ち続けたい。
因みに、市場を俯瞰する「鳥の目」では史上最高値圏の3000ドルを固める時期で、2500ドル前後への調整局面も見えてくる。
但し、当面はそれほどの暴落は見えない。あくまで市場を歴史の目で俯瞰する場合の話だ。

2025年