豊島逸夫の手帖

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金暴落、過去最大の下げ、何が起こったのか

2025年10月22日

4176.gif昨日は4350ドルから始まったが、本稿執筆時点(22日朝)では4050ドルまで暴落中。

4000ドル割れも視野に入る。なんとも、荒っぽい調整局面となった。金は、やはりバブル化との議論が噴出する。

冷静に見れば、本欄で使っている用語で言えば、opportunistic buyer(ひよりみ派)が巻き戻しを急ぎ、下げに拍車をかけている。対して、conviction buyer(確信派)は、どっしり構え金の長期退蔵を続ける。

その結果、後者が残り長期上昇トレンドはより堅固になる。ダイエットに例えれば、前者は余計な脂肪であり、それが取れれば筋肉質の相場になるわけだ。

別の例えを使えば、投機買いが新雪ドカ雪の如く積もったところで、自重に耐え兼ね表層雪崩。そこで根雪が残る。この部分がコモディティー風に言えば、需給均衡点。今や、市場は根雪の状況を模索しているのだ。

あれこれ書いてきたが、要はウクライナ・中東和平の明確な目途がついたわけでもない。世界的ドル離れの傾向はいささかも変わらない、それに伴う中央銀行のドル売却、金購入の動きに大きな変化があったわけでもない。長期的に5000ドルに向かう流れに、いささかの変化もない。

短期投機筋の派手な動きに惑わされるなかれ。

もしあのまま、4500ドルを超え、更に突っ走ったとすれば「山高ければ谷深し」となったであろう。
上げ下げを繰り返しつつ、相場レンジが切り上がってゆくのが、正統派の相場と言える。

2025年