豊島逸夫の手帖

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ロコロンドン 3470ドル、NY金 3544ドル

2025年9月1日

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本稿執筆時点(9月1日13時)、スポットの金価格は3500ドル接近、NY金(12月もの)は3500ドル突破して、3540ドル。国内の金小売価格も時ならぬ最高値更新。

さて、今回こそ三度目の正直で3500ドル本格突破あるか。
金急騰劇の背景は、やはりトランプ氏の執拗なFRB乗っ取り工作。もはやFRB理事の過半数はトランプ派になりそうな雲行き。利下げも、例えば9月は0.5%幅になるとの観測さえ流れる。金融政策の波乱と強引な利下げはどちらも金には追い風。

但し、異論もあることは前回の本欄で詳述したところだ。

時あたかもNY市場は9月1日月曜日の「レイバーデー」休日で3連休。毎年レイバーデーウィークエンド明けから本格的秋相場入り。それゆえ、この連休前にかなりのポジション調整が集中。NY金市場では特に先物市場の売り方が手仕舞いの買いを入れたことが、価格上昇に拍車をかけた。連休中のトランプ氏のSNS書き込み次第で相場が大きく動く可能性があるからね。

先週の時点では金融政策不安にもかかわらず、金を含めNYの各市場が大きく動かないことがウォール街の話題となり、ウォールストリートジャーナル紙も謎の現象として記事を流していることにも言及した。

さて、今週こそNY各市場の本格反応が見られるのか。
話題のFRBクック理事が住宅ローン疑惑でトランプ氏に辞任を迫られ、クック氏側は徹底抗戦の姿勢だ。この問題はどうやら最高裁まで持ち込まれる様相。その最高裁はトランプ色が滲む。

司法まで大統領が制するとなると、中国並みの独裁国家と言われても仕方あるまい。今後の展開が注目される。マーケットも司法の判断となると、成り行きを見守るしかない。

更に今週は雇用統計も控え、この結果が9月FOMCの利下げ判断にも影響を及ぼすは必至だ。

前月のような2か月遡っての大幅下方修正の如きサプライズがあるのか。トランプ氏は雇用統計担当の官僚をクビにするという、これまたなりふり構わぬ行動に出たことも依然話題になった。利下げ観測に逆らうエコノミストはクビにしろと大手銀行トップに迫ることも穏やかならぬ。

金価格の3500ドル突破がホンモノか否かは、今週中に明らかになる可能性が強い。

筆者は依然、慎重に、冷ややかに見ている。
まぁ、果報は寝て待てとやら(笑)。それほど性急にならぬとも良かろう。

札幌の気候は例年より温度が3度は高いが、それでも25度程度。朝方は冷え込む(これは筆者の肌感覚だが)。北大の植物園に行くと、温暖化で開花時期を間違えた花々が咲いている。写真はオオヤマレンゲ。初夏に咲く花だけどね~。9月に入って出遅れ組が咲き始めた。時ならぬ国内金価格最高値更新も温暖化の影響かな(笑)。

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それから、親戚の猫ちゃんを前回紹介したら、同じファミリーの別の猫ちゃんも「僕も紹介しろニャン」と迫られた(笑)。

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2025年