豊島逸夫の手帖

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国際金価格、久しぶりの急落

2025年1010

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日本時間深夜2時過ぎ。金価格がストンと落ちた。その後も下げは止まらず、100ドル近く急落した。特に理由はない。自律下落。利益確定売り。異常に過熱していたから、筆者は下がってホッとしている。健全な調整局面。あのまま上がり続けたら、その後の「谷」が深くなる。

短期的な調整局面ゆえ、長期的上昇トレンドを支えるファンダメンタルズにはいささかの変化もない。

今の金市場には「conviction buyer 確信派」と「opportunistic buyer ひよりみ派」が混在する。今回の下げで、後者の一部が振り落とされた。これが繰り返されれば、いずれ確信派だけが残り、相場の内部構造は堅固になる。

なお、プラチナやシルバーも金に連られて上昇中。銀は1980年ハント兄弟による歴史に残る銀市場の買い占めの時の水準を上回った。これはこれでその時代を知る者として感慨深いことだよ。

プラチナ1700ドル接近も、ご存知プラチナファンの私にはたまらない。仕事上では、努めて冷ややかな態度をとっているけどね(笑)。 筆者の信条なのだが、商売ものに惚れてはならぬという発想がこびりついている。惚れたら冷静な分析はできない。

なお、今週の金の動きを総括すれば、FOMC議事録発表で利下げが確認され上昇。
対して、ガザ和平案の進展が地政学的リスクの僅かばかりの後退となり、利益確定売りの恰好の口実となった次第。

 

2025年