2025年6月5日
今日の新聞トップ見出しに並ぶこの件。
「縮む日本、揺らぐ経済基盤、国の想定より15年早く」
筆者は「うーむ、やはり10年後のドル円は200円か」と考えてしまう。為替は長期的に見ると金利差より国が稼ぐ力で決まるからね。
本欄で最近、頻繁に論じている日本国債にも影響がある。
30年債などの超長期債を発行しても、買い手がつかなくなるということだ。これまでは生保や年金基金が受益者の老後まで価値を維持し、僅かばかりでも一定の配当を見込める超長期債を専ら購入・保有してきた。しかし人口減となれば、もはや超長期債に頼る必要もなくなるだろう。
国の台所を預かる財務省側にしてみれば、できるだけ長期に民間からカネを借りたいところだ。しかし実態はその買い手が専ら「日銀」となっている。財務省が発行した「国の借金証文」を国の中央銀行が買い取る。どう見ても危うい構造だ。
今日も30年債の入札があり、その結果が午後12時35分に発表された。結果はブルームバーグ通信が「23年以来、最も弱い需要」と報じている。日本国内では専ら「米騒動」の報道ばかりが目に付くが、海外から見ると日本国債入札結果の方が気になるのだね。財務省も海外投資家に日本国債を売り込む姿勢だが、果たしてどこが買ってくれるのか。中国やロシアとなると、日本国は不気味な国から借金することになる。
このような状況下で個人投資家は金価格が3400ドルになるか、ならないかという目先のことに目を奪われず、10年、20年、30年先の日本を考えて、金を地味に積立感覚で買い増してゆくことが、いつもながら重要と心得よ。
なお、日本国債入札は海外投資家からも凝視されているわけだが、投機的なヘッジファンドが足元を見て、日本国債を投げ売りするというシナリオがNY市場では至極真面目に論じられている。そうなると米騒動どころではないよ。
ファイナンシャルプランナーたちが「皆さん、国債で保有すれば安全ですよ~。金?そんな投機商品に手を出さないように。」と説いた古き懐かしい時代は終わったのだ。