豊島逸夫の手帖

  1. TOP
  2. 豊島逸夫の手帖
  3. バックナンバー
  4. 金急騰に死角はないのか
Page4028

金急騰に死角はないのか

2025年2月20日

4028.gif

国際金価格はロコ・ロンドンで2940ドル近傍。NY先物(4月もの)で2957ドル前後。

市場では殆ど全員強気のムードが支配する。これがへそ曲がりの筆者には気に入らない(笑)。金に限らず、ほぼ全員が同方向を向くと市場は逆に動きがちだ。

今の金市場で下げ要因を探すとすれば実需不振。さすがに2900ドル台ともなると世界的に実需は後退する。現物需要の裏付けのない先物主導の投機相場ということになる。

更に、現物の売戻(リサイクル)も急増必至。タンスの肥やしになっていた金のネックレスが思わぬ高値で売れてラッキーみたいな人が世界中にいるよ。このような現物売りは一人当たりの額は小さいが、何百万人の単位になると無視できない現物売りになる。特徴は先物と異なり、ボディーブローみたいにジワリと効くこと。現物売戻のタイミングは下げ始めた時。もっと高く売りたいと我慢していた人たちは相場が下げ始めると、たまらず売り始めるものだ。人間の欲だね、この現象は。できるだけ儲けたい、でも売りに出遅れるのも嫌だという心理。

中期的にはこの手の売りをこなしてこそ、真の上昇トレンドが形成されるものだ。

2025年