豊島逸夫の手帖

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日経平均50000円、金5000ドルの現実味

2025年1021

日経平均は、この投稿がアップされる頃には50000円が現実になっているかもしれない。但し、報道されるような海外勢の買いではない。NY市場で昨日、高市政権誕生は殆ど話題にならず、軽くスルーされていた。話題になってもらわないと困る人達が、海外勢の日本株買いを囃しているに過ぎない。専ら、現地の話題はトランプ大統領がウクライナに関して態度を二転三転。ロシア寄りとも思える発言も目立ったこと。ウクライナ和平への道遠し。そして中東ではイスラエルが大規模空爆。ガザ停戦も道遠し。そこに「タカイチ」の存在感は薄い。日経平均が高市相場で50000円の大台を突破しても、コップの中の嵐(a storm in the teacup)と表現される。それでも日本株が上がることは、決して悪いことではない。筆者は歓迎している。高市政権と市場のハネムーン期間が一巡したところで、市場の評価がどうなるか注目したい。
一方、金市場は早くも急反騰(KITCOグラフ緑線)。

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週末を挟んで金曜日に急落(青線、赤線)。月曜日には急騰。「健全な調整」の期間は短かった。再び「最高値更新」の見出しが躍る。
基本的に株高でも金高が同時進行。株を買うがAIバブルリスク或いはタカイチリスクも無視できず、リスクヘッジとして金も買っておくとの姿勢が鮮明だ。
株価と金価格は逆相関というのは昔の話。実態は株を買えばこそ、金のヘッジ機能が生きるということだ。そもそも投資とは、おカネに働いてもらってナンボの世界。金は配当も利息も生まず不毛の資産。それゆえ、資産運用の世界での主役はあくまで株。金は渋い脇役である。近年は何かと脇役の出番が増え、主役の座を奪う局面も多いということだね。

金5000ドルはさすがに、未だ先の話。Xには投稿したがUBSは4700ドル予測。とは言え5000ドル実現の可能性も十分にあると筆者は見る。基本的に金価格を歴史的高値圏に導いた諸条件(ファンダメンタルズ)は構造的要因であり、いささかも変わっていないからだ。とは言え5000ドル突破のためには、投機筋の買いにも一役かってもらう必要があろう。上昇モメンタム、つまり、あと一押しが必要なのだ。

2025年