豊島逸夫の手帖

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米12月利下げ確率、再び上昇の流れ

2025年1125

先週後半になって、FRB高官から12月利下げを肯定する発言が出始めた。
それもFRB高官の中でも特に影響力が強い二人から。

まず、NY連銀ウィリアムズ総裁。NY連銀は常任投票権を持ち、FOMCでも中心的存在だ。その発言は利下げを示唆する内容であり、市場の織り込みをひっくり返すほどの影響力があった。

次に、ウォラーFRB理事。同氏は次期FRB議長の有力候補だ。彼はトランプ派であり、元々利下げ論者ではあった。しかし、他のFRB高官から相次いで12月利下げ見送り説が語られ、市場もすっかりその気になっていたところでの発言ゆえ効果があった。
12月利下げ確率も元々90%超えだったのが、一時は40%程度まで落ち込み、それがこの数日で70%超まで上がってきた。

金利を生まない金には朗報であり、KITCOグラフ赤線の如く、4140ドル近傍まで上昇中だ。

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とは言え、今週のNY市場は感謝祭を迎え休日モード。市場参加者は限定的だ。
感謝祭が終われば、12月クリスマス休暇を視野にヘッジファンドなどはポジションを手仕舞う。

2025年通年で見て、金価格がここまで上がれば充分であろう。
2026年は5000ドルが視野に入る年。

他の市場も気になる。
日経平均がソフトバンク一社の株価に大きく振られる異例の展開。
AIはバブルなのか。まだ答えは出ない。

そして、円安。
日本の財政赤字懸念による円売り傾向が顕著だ。
日本国債も危うい。このリスクは本欄でも語ってきたところだ。
10年債利回りが1.80%まで上昇中だ。今年の安値は1.03%であったからそのインパクトは大きい。日本国債の買いが薄く、米ヘッジファンドがJGB(日本国債)売り攻撃を仕掛けている。
タカイチ積極財政への不信任票とも言える現象だ。

今や世界でも最悪級の財政赤字を「誇る」日本。
その正常化は想像を絶する難路だ。これひとつだけでも、日本の個人投資家が金を買う理由として十分過ぎるくらいのインパクトを秘める。

加えて日中関係悪化。日中のビジネスは確実に長期的に細る。
これは対中依存度の高い日本経済に中期的に強い押し下げ効果となるのは必至だ。これも円安に拍車をかける。

それゆえ円建て金価格には下支え要因となろう。
それにしても喜べない円安だ。
円建てで金をリスクヘッジとして長期保有して役立たない事を真に祈るのみ。

さて、日々東京で札幌級のジェラートを模索しているが(笑)、戸越銀座にジェラートのお店を見つけた。確かにミルクそのものの純粋アイスクリーム。しかし、やはり札幌東急百貨店のジェラートには及ばぬ。アイスクリーム評論家の判定は厳しいのだ(笑)。

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2025年