経済金融面における我が国の課題はいろいろありますが、特に今クローズアップされている課題はふたつでしょう。ひとつは800兆円にまで膨らんでいる国の 財政赤字(借金)をどのように減らすか、もうひとつはバブル崩壊後に進んだ資産デフレをどのように解消するかです。その解決方法としてよく登場する言葉がこの「インフレターゲット」です。
本来は、インフレの状態を一定の目標レベルへ抑え込んでいく通貨政策(貨幣価値を上げて物価を下げる政策)を指しますが、現在話題になっているのは少々趣きを異にしています。つまりデフレの状態を一定の目標レベル持ち上げていく通貨政策(貨幣価値を下げて物価を上げる政策)として、インフレターゲットという言葉が使われています。つまり意図的にインフレを起こすことによって、財政赤字縮小と資産デフレ解消というふたつの 課題が同時に解決されるのではないかという期待があるわけです。
しかしこの手法は行き過ぎることも考えられ、その場合にはインフレヘッジとしての金に目が注がれることになるかも知れません。