英国政府は、1999年の5月に「中央銀行が保有する金準備高715トンのうち415トンを売却し、うち125トンを1999年~2000年にかけて入札方式で5回に分けて売却する」との計画を発表しました。金準備の売却で得た資金は、ドルやユーロや円で運用されているとのことです。この英国政府の決断が正しいか間違っているかは、まだ誰にも分かりません。ただ、同年の9月に欧州中央銀行15行が、向こう5年間の政府保有金の売却・貸出制限を共同声明(ワシントン協定)の形で発表したこと、そして米国、日本、IMF、BIS(国際決済銀行)が売却はしないと表明したこと。これらを考え合わせると「金は今後とも世界各国の準備資産の重要な部分であり」「金は究極の支払手段である」というのが、先進各国の共通認識と言えるのでしょう。
なお、2000年春以降、肝心の金価格は大きく上昇。その結果、英国政府は国家の貴重な資産を安値で手放したことになったため、国民から非難されていることを付け加えておきます。