資産として金の価値を考える上で、もっとも重要なキーワードです。
株式、債券、預貯金、生命保険など、一般に保有されている金融資産の価値は、「発行体の信用」の上に成り立っているペーパー資産です。つまりこれらの資産は、発行側にとっての債務であり、消費者にとっての債権であると言うことができます。株式や債券に証券があり、預貯金に通帳があり、生命保険に証書があることが何よりの証明です。
これに対して、金の場合はそのもの自体に価値がある実物資産であるために、誰の信用の裏付けも必要としません。
発行体を持たず、信用リスクとまったく無縁な資産ですから、無価値になることがありません。
国際的な有事や通貨不安、さらには経済不安や金融不安などが起きる度に、かならず金に注目が集まるのは、こうした事情が背景にあるからです。
この「無債務性」という金の持つ価値は、今後ますますクローズアップされることが予想されます。