金現物取引において最も頻繁に使われる用語です。
"ロコ"とは貿易条件で「現場渡し価格」(運賃や保険料等を一切含まない価格)を意味しています。"ロンドン"は金現物取引の歴史において中心的役割を担ってきた、英国のロンドン金市場を意味しています。もちろん取引所のような具体的な建物を意味している訳ではありません。金現物取引において「ロコ・ロンドン」という時は、「金現物の受渡場所をロンドンにすることを条件とした場合の金取引価格」を指しています。
実際にロンドンにおいて金現物の受渡しを行なうことを意味している訳ではなく、あくまでも「運賃や保険料等を一切含まないネットの金取引価格」の総称として使われています。
ではロコ・ロンドンは英国通貨ポンドで表示されているのかと言えばそうではなく、「280ドル/oz」という具合に金1トロイオンスあたりの米ドル建てで表わされます。釈然としないものを感じる向きもあるでしょうが、第2次大戦後のIMF体制下において、国際金価格の表示は米ドル建てが標準となっているからです。
ところで、ロコ・東京(東京渡し価格)、ロコ・チューリッヒ(チューリッヒ渡し価格)、ロコ・ニューヨーク(ニューヨーク渡し価格)という言葉もあります。この場合の価格は、ロコ・ロンドンをベースにしてそれぞれ運賃や保険料等のコストが加えられたものとなっています。