4月の金相場は、米国の相互関税政策による貿易戦争の激化が懸念されたことから値動きの激しい展開となった。4日に中国が報復関税を実施する事を決めたことからリスク回避の動きが広まり株式や債券などの資産が値を下げると、利益確定や換金目的と思われる売りが出て金は3,054ドルとなった。7日には資金の逃避先としてドルが買われたことから、ドル建てで取引される金は割高感が生じたため売り優勢となり4月の最安値となる3,014ドルまで値を崩した。11日には米中貿易摩擦の激化に伴い、外国為替市場においてドル安が進行したことから割安感の生じた金は大きく買われ3,230ドルとなると、16日にはNVIDIAの中国向け半導体が米政府の輸出規制の対象になったことなど中国を標的とした米関税政策への警戒感から金は更に上昇し3,322ドルとなった。22日にはトランプ米大統領によるパウエルFRB議長への利下げ要求を背景とした米長期金利の低下や、米関税政策への不透明感等を受けて金は買い進まれ4月の最高値となる3,433ドルまで値を伸ばした。30日には1〜3月期の米GDPがマイナス成長に陥ったものの米PCE物価指数は個人消費の底堅さを示す内容だったことからドル高が進行、ドル建ての金は割高感から売られ3,302ドルとなり4月の取引を終えた。
月内レンジは3,014-3,433ドル。