金相場は1,240ドル付近でスタート。週開け3日は、前月からの米長期金利の上昇継続を背景に約20ドルの大幅な下落となり、約8週間ぶりの1,220ドル割れを見ることとなった。4日は米国の独立記念日でNYマーケットは休みのため、動意薄。その後、1,220ドル台で推移し、週末7日の米雇用統計を待った。注目の6月米雇用統計の内容は概ね堅調と判断され、ドル高を背景に金相場は一時1,210ドル割れの水準まで大きく売り込まれた。週明け10日も弱含みで推移し、一時1,205ドル割れとなったのち、1,210ドル台を回復。11日は米トランプ大統領をめぐるロシアゲート問題の再燃で、政治リスクが意識され、金相場は1,220ドル付近まで買われた。12日はイエレンFRB議長の議会証言が行われ、その内容が「ハト派的」と市場に受け止められたことから、金相場は1,225ドル付近まで続伸したのち反落し、1,220ドル付近での小動きとなった。その後、週末に発表された米国経済指標が冴えない内容であったことを受けた年内利上げ観測の後退やドル安の流れを受け、金相場は1,230ドル前後まで上昇した。18日にはトランプ大統領の公約の目玉であるオバマケアの廃案審議が進まない見通しとなったことで、債券買い・ドル売りが進み、金相場は1,240ドル台にレンジを切り上げた。20日に発表された欧州中央銀行(ECB)定例理事会の声明文は、これまでと同じハト派的内容で、出口戦略を期待していた市場は冷や水をさされた形となり、ドル売りユーロ買いが復活。この流れと並行して米国ではロシアゲート問題が再浮上したことから、一時1,245ドル超えまで急伸した。21日の金相場は、引き続きロシアゲート問題で米国の政治リスクが懸念されドルが弱含む中、金相場は買われ1,255ドル付近まで続伸した。25日は良好な米経済指標を受けた株高を背景に安全資産需要が減退し、ドルも堅調に推移したことから、金相場は1,245ドル付近まで下落し米連邦公開市場委員会(FOMC)を待った。26日にFOMC声明文が発表されると、市場ではその内容を利上げ観測後退と評価し、一気に1,260ドル越えの水準まで上昇した。28日は1,260ドル付近で推移していたところに、北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射のニュースが飛び込んできて、更に1,270ドル付近まで上昇し、そのまま7月の取引を終えた。月内レンジは、1,205-1,270ドル。