COMEXとは、字義的にはCommodity Exchange(商品取引所)の省略形ですが、大文字で表記する場合は「ニューヨーク商品取引所」を指します。誤解を避けるためにニューヨーク COMEXまたはN.Y.COMEXと呼ぶ場合もあります。
この世界最大の商品取引所であるCOMEXに上場している貴金属に、「金」があります。いわゆる「ニューヨーク金市場」とは、このCOMEXにおける金取引の総称と捉えて差し支えないでしょう。
ところで「金市場」には、他の商品市場と同様に「現物市場」と「先物市場」があります。欧州やアジア地域の金市場では現物取引が中心になっているのに対して、COMEXにおける金取引はドル建てで行われる先物取引があきらかに市場をリードしているところに大きな特徴があります。
先物市場での取引は、必ずしも現物の受け渡しを伴う必要がなく、反対売買によって(差金決済によって)手仕舞うことができるため、コストや便利さ等の面でメリットがあります。そのためCOMEXは、鉱山会社のヘッジやファンド筋等の投機が活動の中心となっており、取引高も桁違いに多く、流動性も高いことに大きな特徴があります。つまりそれだけCOMEXの動向が世界の金市場に与える影響が大きいとも言えます。その意味で、COMEXの動向は、良くも悪くも市場関係者にとって目が離せないところとなっています。