特に欧米の大手銀行で、金を含めた貴金属取引を幅広く行う部署を持つ銀行を、金市場のサイドから、ブリオン・バン ク(Bullion Bank)と呼んでいます。 欧米の金融の世界では、金は、ドルやユーロなどと同様に通貨のひとつと考えられています。金は、もともと通貨そのものでしたから、当然かも知れません。そのために欧米にはこのブリオン・バンクが多数存在します。
日本においても、1978年の金自由化以来、多くの銀行で金地金や金貨といった金現物を取り扱っています。ただし日本の場合には、銀行法によって貴金属取引の範囲が限定されていることから、欧米に見られるようなブリオン・バンクは存在しません。その役割はおもに大手商社が果たしているのが実情です。
国際的な金現物取引における指標価格は、毎日午前と午後の2回、ロンドン金市場においてフィキシング(値決め)されていますが、このフィキシング業務に当っているのもブリオン・バンクと呼ばれる銀行です。2007年現在のフィキシング・メンバーは、スコシア・モカッタ、バークレイ銀行、ドイツ銀行、 HSBC、ソシエテ・ジェネラルの5社となっています。
※2014年1月ドイツ銀行はフィキシングメンバーからの脱退を表明。
※2015年3月フィキシングは終了し、新たな国際的指標として「LBMA Gold Price」の運用が始まった。