プロのディーラーの心得のひとつに、「噂で買ってニュースで売れ」という言葉があります。
彼らは、対象とする商品が為替であろうと金であろうと、値上がりが見込まれる場合は誰よりも早く買い、値上がり確実のニュースが出て買いの参加者が多数になる頃にはいち早く売って利益を確定させるという習性を持っています。
彼らの目的は、一般投資家と異なり資産保全を目的にドルや金を買っているわけではなく、あくまでも利鞘を稼ぐことだからです。しかも彼らは短期間で成績を判断される立場にあります。
「投機筋の利食い売りが入った」とか「投機筋から利益確定の売りが出た」という言葉は、このようなことを意味しています。
該当商品の価格が長期的に上昇トレンドにあると思われる時に、なぜ投機筋の売りが出るのか理解に苦しむ場面があるでしょうが、それはこうした事情によります。
一般個人が資産保全を目的に金を買う場合には、このようなプロの動きに惑わされず、あくまでも長期保有を原則とすべきでしょう。