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金価格が下落する理由について|過去のデータから傾向を知ろう

有事に強い資産として知られる金。価格の上下はあるものの、長期的に見ると金価格は上昇傾向だと言えます。だからこそ、値下がりしたタイミングで購入したいと思う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、金価格が下落する理由や過去に下落したタイミングについてご紹介します。金価格の変動要因を知りたい方や価格が下落したタイミングでの購入を検討している方はぜひ参考にしてください。

    この記事のポイント

  • 金価格の下落理由は経済の安定・成長、金利上昇、米ドル高など
  • 過去にアメリカとソ連の緊張緩和やリーマンショックなどで下落
  • 下落時に多くの量の金を購入したいなら「純金積立」がおすすめ

金価格が下落する理由とは?

金価格が下落する主な理由として以下の7点が挙げられます。ただし、セオリーどおりに値動きしないケースもあるため、実際に金を購入する際は直近の相場動向をよく確認しましょう。

経済の安定と成長

金は「有事の金」とも言われ、経済的な不安が広がっている局面などで価値が高まる傾向があります。その反面、日本や世界の経済に安定性が見られ、成長が期待できる局面では、株式などのリスク性商品に投資家の資産が集中しやすくなります。株式などのリスク性商品は経済の安定や成長を受けて値上がりする傾向が高いためです。これにより、金の価値が相対的に低下するため、金価格が下落しやすくなります。

金利の上昇

投資商品のひとつに国や企業などが投資家から資金を集めるために発行する「債券」があります。債券にはそれぞれ金利が定められており、この債券金利と金価格は逆相関の関係にあると言われています。つまり、金利が上昇するタイミングでは債券から得られる利息が増えるため、債券に資産が集中し、相対的に金に投資するメリットが低くなって金価格が下落するということです。金利の上昇局面においては金価格の変動を注意深く確認しておくとよいでしょう。

米ドル高

米ドルと金価格も逆相関の関係です。米ドルの価値が高まっている局面ではアメリカ経済が好調な状況が多く、リスク性の高い株式などに投資資金が集まる傾向があります。こうした局面では安全資産と言われる金を売却して株式などを購入する投資家の行動が見られるため金の価値は相対的に下がりやすくなります。

原油価格の低下

原油と金に直接的な関連性はありません。しかし、いずれも米ドル建てで取引されており、ドル高やドル安の影響を受けるという点で共通しています。また、地政学的リスクを理由に原油価格が高騰していた場合、そのリスクが後退すると原油価格は下がります。
地政学的リスクが後退し、国際的な経済環境が安定すると金価格も下がりやすくなることが考えられるため、原油の値動きの理由に着目することもタイミングを図るひとつの方法です。

中央銀行による金の売却

各国の中央銀行の多くは、金融政策の一環として株式や債券、金などの資産を保有しています。金がインフレに強く、株式や債券などと異なり、普遍的な価値がある資産であることなどが理由です。中央銀行が保有する金の量は非常に多いため、中央銀行がさまざまな理由で大量の金を売却した時、市場に多くの量の金が出回ることから金価格は下落しやすくなります。

政治的な安定

金価格は紛争が起こった時などの有事に高騰しやすいと言えます。逆に世界全体が政治的に安定している時には、その後の経済安定や成長が期待され、株式などのリスク性商品に資金が集まりやすくなります。相対的に金の魅力が下がることから価格が下落しやすくなります。

供給量が増える

金の採掘量が増えたり、投資家が多くの量の金を売却するなど、市場における金の供給量が増えると金価格は下落しやすくなります。金価格は市場での需要と供給のバランスによって調整されるためです。

ただし、金は実物資産で、いつかは枯渇することが想定されます。よって、採掘される量に限りがあるため、長期的には金価格の上昇が見込まれているのです。

過去に金価格が下落したタイミングとは?

金価格は過去に何度か下落を経験しています。その代表的なタイミングをご紹介しましょう。

出典:三菱マテリアル ゴールドパーク 金価格推移 長期(1978~現在)

アメリカとソ連の緊張緩和【1980年】

1979年、アメリカとソ連(現:ロシア)はまだ冷戦状態にあり、ソ連のアフガニスタン侵攻といった地政学的リスクが急激に高まりました。その結果、金価格は上昇し、1980年1月には当時の史上最高値で取引されました。

しかし、その後にソ連が東西関係正常化に向けて動き出したことからアメリカとソ連の緊張状態が緩和され、金価格は下落傾向になります。

リーマンショック【2008年】

2008年に起きたリーマンショックでは世界経済が大混乱に陥りました。当初、投資家が現金の確保を最優先したことで金が売られ、金価格は下落しました。しかし、混乱に対処するためアメリカの中央銀行であるFRBが金利を下げ、大量の資金を市場に供給したため、ドル安とインフレ懸念から安全資産である金の需要が高まり、その後は金価格が上昇しました。

アメリカ経済回復によるFRBの量的緩和縮小【2014年】

2001年頃から2012年頃まで金価格は上昇傾向を見せていました。この要因としてはアメリカでの同時多発テロやリーマンショック、世界的な金融緩和など、世界的に経済不安がまん延していたことが挙げられます。

しかし、徐々にアメリカの経済が回復傾向となり、FRBが2014年1月から量的金融緩和の縮小を開始すると金価格は大きく下落しました。

金価格は今後下落する?

今後の金価格はどのように推移するのでしょうか。金価格はさまざまな要因で変動することから予想は難しく、短期的には上昇と下落を繰り返すと考えられます。

直近で注目したいのはFRBによる利下げです。2024年に入ってFRBによる利上げがストップしているため、今後は利下げに転じるのではないかと予想されています。これが実現した場合、米ドル安となり金価格が上昇する可能性があります。

また、直近約20年間の傾向から国際的な経済不安や地政学的リスクが高まった場合に金価格が上昇しやすくなると言えるでしょう。加えて、近年は金の採掘コスト増加などによる供給量の減少も予想されています。金はいつか枯渇すると考えられていることから長期的に見ると上昇トレンドが続いていくのではないでしょうか。

国内の金価格に関しては為替相場の影響も考慮する必要があります。一般的に円高・米ドル安になると金価格は下落し、円安・米ドル高になると金価格は上昇します。現在は急激な米ドル高が一旦落ち着き、値動きの方向性が読みにくい状況なので、今後の為替動向にも引き続き注意しましょう。

金価格の下落時に大量購入できる純金積立のすすめ

長期的に見ると金価格は上昇を続けています。ここ5年間でも2019年9月時点では5,673円/gだった価格が、2024年8月時点では12,853円/gに上昇しました(いずれも月平均価格)。

既に金投資をしている方や検討中の方にとって、金価格下落のニュースは不安材料かもしれません。こうした値動きに左右されずに金投資を続けたい方には、月々定額を積み立てる「純金積立」があります。

純金積立は月々の定額をドルコスト平均法で購入するため、金価格が下がっている時には多くの量の金を購入でき、金価格が上がっている時には少ない量の金を購入することになり、価格変動リスクを抑える効果が期待できます。そして長期的に保有し続けることで将来的に金価格が上がったタイミングで売却してリターンを得ることができます。

長期的な資産の運用方法として、今から少しずつ純金積立で金を購入することはいかがでしょうか。

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まとめ

金価格が下落する要因として、経済の安定や成長、金利の上昇、米ドル高などが挙げられます。過去のデータも参考に、安全資産として知られる金の購入を検討してみてはいかがでしょうか。

その際には金価格の上下に関わらず一定額を購入していく「純金積立」がおすすめです。金価格を日々チェックする時間を省きたい方や長期的に保有するメリットがある資産を探している方にも向いている投資方法と言えますので、ぜひ参考にしてください。

※本記事は投稿時の情報です